2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591340
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅景 正 The University of Tokyo, 環境安全本部, 准教授 (20323587)
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Keywords | パニック障害 / 遺伝子 / ゲノムワイド関連研究 |
Research Abstract |
(1)対象リクルート及び心理・臨床データ分析 パニック障害の対象リクルートについて、不安障害専門医療期間である医療法人和楽会(赤坂クリニック・なごやメンタルクリニック・横浜クリニック)の協力のもと継続している。2008年度末において、東京で約450例、名古屋・三重で約550例、合計1000例を達成したげこの他、大分大学、新潟大学、千葉大学などの医療・研究機関から協力が得られ、約200サンプルが提供され、韓国のパニック障害遺伝子研究者との協同研究により約300例のサンプルが利用可能となっている。また、米国のMMEを中心とする共同研究チームによるパニック障害の大規模GWA(poohng DNAを利用)が開始されており、共同研究を進めている。心理・臨床データを分析については、過敏性腸表を有するパニック障害患者について行った。パニック障害の広場恐怖と認知要因の関連について、過敏性腸炎を有する患者174人を対象として検討し、パニック症状に伴う身体(腹部)症状が強い予期不安および広場恐怖を引き起こしていることを示した。 (2)遺伝子解析 パニック障害の患者サンプルのうち200例、健常対照200例(性、年齢、出身地域をmatch)について、Affymetrix社の500kSNPチップによるgenome-wide association studyを東大SNPタイピングセンター(徳永研究室)で実施した。この結果有意差の得られたSNPについて、DigiTag2法を用いて他の患者一対照サンプルでの再現性の検討を進めている。 (3)機能解析 不安障害に対するエクスポージャー法の生理的指標についての検討を行った。本研究では、不安障害めうち特定の恐怖(クモ恐怖症)に対してエクスポージャー法による治療前後の前頭前野の脳血流量の変化をNIRSを用いて測定して、治療の効果との関わりを検討した。特に、不安発作の発生から不安の減衰までの前頭前野の脳血流量の変化を捉え、恐怖の低下との関連を検討した。また、パニック障害患者の認知課題中の脳血流量変化についての検討をおこなった。
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