2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591350
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
定松 美幸 Nara Medical University, 医学部, 准教授 (90252387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 裕彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30293830)
黒川 清 環太平洋大学, 体育学部, 教授 (40215083)
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Keywords | 自閉症 / 甲状腺ホルモン / 小脳 / ノックアウトマウス / 行動解析 |
Research Abstract |
今年度は、甲状腺ホルモン受容体ノックアウトマウス(TRKO)の基本的な行動解析、組織学的検討を試みた。TRKOα、βともにhomozygotes, heterozygotesマウスの安定した作成が可能になり、十分な個体数がそろったため、雌雄でコントロールと3群の比較が可能になった。結果、他施設の報告では、TRKOαは行動異常が認められないという報告があったが、われわれのTRKOαはオープンフィールドテストの行動で多動と不安閾値が高いことが示された。Homozygotesにその傾向は強く、heterozygotesはコントロールとhomozygotesの中間の傾向を示したことから、受容体の有無が影響していることが示唆された。雌雄の差は有意ではなかった。多動傾向はTRKOβでより顕著で、αと同様に不安閾値の高さが明らかになった。homozygotesが最も多動で、heterozygotes1はコントロールと中間を示す所見も同様であった。外見からはTRKOα、βともに、コントロール群との差は認められなかったが、小脳の組織学的検討では、小脳外穎粒細胞層のmigrationの遅れを認めた。プルキンエ細胞の形成、数に有意な差は認められなかった。今回の行動解析で、特にTRKOβについては、今後AD/HDのモデル動物としての可能性が示唆された。
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