2008 Fiscal Year Annual Research Report
メチオニンPETによるアルツハイマー病患者の神経細胞障害の同定
Project/Area Number |
19591351
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
数井 裕光 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (30346217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
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Keywords | アルツハイマー病 / PET / SPECT / 脳血流 / メチオニン / 蛋白合成 / 後部帯状回 / 画像検査 |
Research Abstract |
現在、アルツハイマー病(AD)患者の脳機能障害の評価は脳血流SPECT検査で行われるのが一般的となっている。これは神経細胞機能と脳血流(CBF)とが相関するという事実に基づいてのことである。そして近年、脳血流SPECT検査をADに対して行った複数の研究で、ADでは初期から後部帯状回(PCC)のCBFの低下が認められることが明らかになった。しかしPCCは、病理学的には初期のADにおいては異常を認めにくい部位であることが知られており、両者に解離を認めることが問題となっている。そこで我々は神経細胞の蛋白合成(CPS)をin vivoで測定できる11C-メチオニンポジトロン断層画像(MET)を用いて、PCCのCPSを測定しCBFと比較した。対象は8例の軽度〜中等度のAD患者(年齢73.0±5.4歳、平均MMSE19.3±3.3)。この症例に対してMETと1231-IMP-単一光子放射断層画像(IMP)を施行し、PCCのCBFとCPSを比較した。対照群(HC)として、年齢、教育歴をほぼ一致させた8名の健常高齢者(MMSE28.6±1.4)にIMPを実施した。各画像を、評価者によるbiasを除外するためにNEUROSTATを用いて解剖学的標準化を行った。また被験者間の核種の取り込みの差によるbiasを除外するためにPCCのCBFとCPSはともに後頭葉との比を算出して解析に用いた。HCとADの間でIMPを比較した結果、PCCのCBFはADで有意に低下していた。ADにおいてMETとIMPとを比較した結果では、PCCのCBFはCPSより有意に低下していた。このことより脳血流SPECTで認められる血流低下は実際の神経細胞障害の程度よりも大きいことが明らかになった。またMETはADの神経細胞の障害を評価する方法として有用性であると考えられた。
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Research Products
(55 results)
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[Journal Article] Dynamin 2 gene is a novel susceptibility gene for late-onset Alzheimer disease in non-AP0E-epsilon4 carriers2008
Author(s)
Aidaralieva NJ, Kamino K, Kimura R, Yamamoto M, Morihara T, Kazui H, Hashimoto R, Tanaka T, Kudo T, Kida T, Okuda J, Uema T, Yamagata H, Miki T, Akatsu H, Kosaka K, Takeda M.
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Journal Title
J Hum Genet 53
Pages: 296-302
Peer Reviewed
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[Presentation] 近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いた正常圧水頭症のCSF taptestによる脳血流変化の検討2009
Author(s)
疇地道代, 和田民樹, 高屋雅彦, 木藤友美子, 吉田哲彦, 野村慶子, 上甲統子, 池澤浩二, 高橋秀俊, 石井良平, 岩瀬真生, 徳永博正, 数井裕光, 武田雅俊
Organizer
第10回日本正常圧水頭症研究会
Place of Presentation
熊本
Year and Date
20090214-20090215
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[Presentation] 「超早期iNPH」の脳血流の検討2009
Author(s)
高屋雅彦, 木藤友実子, 和田民樹, 野村慶子, 上甲統子, 徳永博正, 数井裕光, 下瀬川恵久, 畑澤順, 武田雅俊
Organizer
第10回日本正常圧水頭症研究会
Place of Presentation
熊本
Year and Date
20090214-20090215
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[Presentation] 特発性正常圧水頭症における精神行動障害と認知機能障害の関連について2008
Author(s)
木藤友実子, 久保嘉彦, 吉田哲彦, 高屋雅彦, 上甲統子, 和田民樹, 野村慶子, 徳永博正, 数井裕光, 三宅裕治, 石川正恒, 武田雅俊
Organizer
第32回日本高次脳機能障害学会学術総会
Place of Presentation
松山
Year and Date
20081119-20081120
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[Presentation] 特発性正常圧水頭症の精神行動障害について2008
Author(s)
木藤友実子, 久保嘉彦, 吉田哲彦, 高屋雅彦, 上甲統子, 和田民樹, 野村慶子, 徳永博正, 数井裕光, 三宅裕治, 石川正恒, 橋本衛, 大川慎吾, 武田雅俊
Organizer
第8回阪神不安気分障害研究会
Place of Presentation
大阪
Year and Date
2008-11-13
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