2008 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害モデルとして捉えるソトス症候群の神経行動学・生化学的研究
Project/Area Number |
19591363
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒滝 直弘 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20423634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40325642)
小澤 寛樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50260766)
吉浦 孝一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00304931)
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Keywords | 発達障害 / ソトス症候群 |
Research Abstract |
本年度は(1)NSD1蛋白の精製とHMT活性の評価、(2)染色体欠失および重複モデルの2つの研究を計画していた。(1)に関しては、昨年度に作成したNSD1コンストラクトを用いて細胞への導入はHek293では成功したが(ウェスタンブロット法の結果は様式C-19の掲載)、NSD1の内因性の発現のないと報告されているHepG2では細胞への導入は成功していない。これは細胞導入の効率がきわめて悪いのではないかと仮定している。そこで、やむをえず、本研究ではHek293を用いてNSD1蛋白を合成することとし、HMT活性の評価に必要な十分量の蛋白を現在精製中である。しかしながら蛋白の抽出自体も効率が悪い。これはコンストラクトのサイズが大きいためか、あるいはNSD1蛋白自体がHek293において細胞毒性を有するため、などの理由が考えられる。 (2)に関しては昨年度に行った当該領域のヒトとマウスのゲノム構造を比較検討した結果、構造自体の詳細な再解析が必要であることが判明した。その一助としてソトス症候群で一般的に広く見つかる5番染色体長腕おける2Mbの欠失の他に、やや小さな欠失を患者で同定し、それらの染色体欠失のメカニズムを解明し、論文で報告した。しかしながら、ヒトとマウスのゲノム構造の差異、すなわちヒトにおける染色体欠失の原因となる相同シーケンス(研究代表者の2005年の論文ではLow Copy repeatと呼称)がマウスには存在していないため、仮想されるモデルマウスにおいて、いかなる領域を欠失させるか結論には至っていない。
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Research Products
(2 results)