2008 Fiscal Year Annual Research Report
衝動行為を見せる遺伝子改変マウスの薬物療法に関する研究
Project/Area Number |
19591372
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 映二 International University of Health and Welfare, 大学病院, 教授 (60226496)
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Keywords | SNAP25 / マウス / 向精神薬 / 異常行動 / 蕀波 / キンドリング |
Research Abstract |
SNAP-25はシナプス前神経末端からの神経伝達物質の放出に、不可欠の蛋白質である。研究分担者の高橋らにより神経伝達物質放出の際にSNAP-25のSer187がプロテインキナーゼC (PKC)の活性化によって特異的にリン酸化されること、PKCによるリン酸化依存的に細胞膜への分泌小胞の移行が促進されることなどが明らかにされた。また、高橋らはSNAP-25のリン酸化部位であるSer187をAlaに置換したノックインマウスを作成した。このマウスは高所から飛び降りるなどの衝動行動や外傷性白内障をきたすまで自分の目を引っ掻いてしまうなどの自傷行為を示した。 本年度は、このマウスの衝動性を抑える目的で、胃の中にチューブを観血的に留置し、十分体力が回復した後に各種向精神薬(ジアゼパム、パロキセチン、フルボキサミン、ハロペリドール、メタンフェタミン、カルバマゼピンなど)を急性投与あるいは慢性投与して、オープンフィールド、明暗テストなどで見られる異常行動が抑制されるかどうかを調査したが、現時点では、いずれの薬物も急性もしくは慢性投与においても明らかな効果がみられていない。 次に、実験中にけいれん発作を起こすことが頻回に観察されたことから、脳定位固定装置を使用し、前頭部(運動野皮質、F:2.0,L:2.0)および頭頂部(体性感覚野皮質、F:-1.0,L:2.0)に硬膜外皮質電極を植え込み、脳波を測定したところ、蕀波が頻回に観察されることがわかった。また、異常脳波の出現は日によって違いがあることも分かった。さらにキンドリングも容易に起きることがわかった。
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Research Products
(6 results)