2007 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス脆弱性モデルラットの情動記憶障害に対するクロザピンの薬理学的効果の解析
Project/Area Number |
19591376
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石郷岡 純 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (80142412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 健 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90365164)
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Keywords | 覚せい剤過感受性 / 統合失調症 / 脆弱性 / ドパミン / 扁桃体 / 恐怖条件付け / 脳内微小透析法 |
Research Abstract |
【目的】統合失調症の病態モデルと考えられるメタンフェタミン慢性処理ラットにおいて、恐怖ストレス負荷時の情動記憶の亢進が生じている。この動物に条件付け恐怖ストレス(CFS)を負荷すると、対照動物に比べ情動記憶の中枢である扁桃体において、ドパミン放出率が充進する。ドパミンの異常放出は、統合失調症の脆弱性の生化学的マーカーであると考えられる。本研究では、このモデルに対するクロザピンを含めた抗精神病薬の作用を検証している。平成19年度は、まず、古典的な抗精神病薬であるhaloperidolを使用した。 【方法】動物のすくみ行動時間とマイクロダイアリシスと高速液体クロマトグラフィ法による扁桃体の細胞外ドパミン濃度を計測した。動物は(1)MAP+, CFS+、(2)MAP+, CFS-、(3)MAP-, CFS+、(4)MAP-, CFS-の4群(MAP:メタンフェタミン慢性処理、CFS:恐怖条件付け、+処置あり、一処置無し)に分け、さらに、(1)から(4)のそれぞれを、Haloperidole(HAL)1mg/kg投与群と非投与群(同量の生理食塩水を腹腔ない注射)に分けた。 【結果】(1)群において恐怖条件刺激(CS)提示後のDAの細胞外分泌量は他の群に比して有意な上昇を認めた。(1)、(3)群ともにHAL投与群でCS提示後のDAの上昇が有意に抑制された。かつ、HAL投与群ではドパミンの基礎分泌量が上昇していた。すくみ行動の時間には薬物は影響を与えなかった。 【考察】HALは、情動記憶障害に対する改善効果をもつ可能性が示唆された。HALによる基礎分泌量の上昇は、シナプス前自己受容体への作用と考えられた。
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Research Products
(1 results)