2007 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病の再発・難治化と脳の脆弱性について脳画像と神経栄養因子を用いた前方視研究
Project/Area Number |
19591379
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
舘野 周 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (50297917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20213663)
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30221328)
水村 直 日本医科大学, 医学部, 助教 (90287748)
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Keywords | うつ病 / MRI / SPECT / 形態変化 |
Research Abstract |
研究開始にあたり、研究実施を安全かつ効率的に行うために、本研究に関して研究実施機関の倫理委員会に研究実施についての申請を行い、倫理委員会の承認を受けた。その後、研究参加者の募集を行った。 目標とする被験者数に、年齢・性別の分布を合わせるために、新たに6名を健常対照群のデータベースに追加した。 暫定的な結果ではあるが、うつ病と診断された患者12名(男性9名、女性3名)に対して治療開始時に測定した頭部MRIデータを解析した。これはうつ病患者群12名と健常対照群27名(男性20名、女性7名)の頭部MRIデータをvoxel-based morphometryを用いて比較検討をしたものである。その結果、うつ病群では両側帯状回前部、両側腹内側前頭皮質、両側尾状核頭において灰白質容積の縮小が認められた。過去に治療を受けた事のある症例も合わせた結果ではあるが、治療開始時にうつ病群において有意な容積縮小を示したこれらの領域がうつ病の生物学的脆弱性と関連している可能性があることを第29回日本生物学的精神医学会において発表した。 本研究課題はうつ病における脳の脆弱性を器質的・機能的変化から評価し、治療と関連した進行性の変化を明らかにすることにある。 本年度に行われた成果は、治療開始時におけるうつ病の脳形態の変化を報告したものであり、うつ病発症の生物学的脆弱性の解明にとって意義のあるものであると考える。また今後行われる治療による変化をみていく上で、比較対象となる情報が得られたと考える。
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