2008 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動、事象関連電位のLORETA解析を用いた軽度認知機能障害早期診断の試み
Project/Area Number |
19591383
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
小路 純央 Kurume University, 医学部, 講師 (50343695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (20140642)
松岡 稔昌 久留米大学, 医学部, 助教 (60441664)
森 圭一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (20399182)
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Keywords | 認知科学 / 高次脳機能 |
Research Abstract |
アルツハイマー型認知症の早期発見早期治療を目的として、軽度認知障害(以下、MCI)やアルツハイマー型認知症(以下、AD)患者に対して、探索眼球運動や脳波のトポグラフィー解析及び事象関連電位のLORETA解析と、従来行われてきた神経心理学的検査の他、MRIやSPECTなど脳統計画像解析による計測とを同時期に検査を行うことで、健常者とMCIや認知症の初期から脳の器質的変化と、脳の機能的変化との関連を比較検討してきた。現在までに、赤ちゃんの『泣き』『笑い』『中性』表情写真や『S字』図を用いて事象関連電位のLORETA解析および探索眼球運動の計測を行ってきた。その結果、健常者に比較して、AD患者は探索眼球運動で有意に注視停留点総数の減少、総移動距離の短縮が認められ、反応探索スコアの減少が認められた。また事象関連電位のLORETA解析では、側頭・頭頂葉領域の活動性の低下が示唆された。MCI患者においても、比較的早期より反応探索スコアの減少、LORETA解析における側頭・頭頂葉領域の活動性の低下を示唆するハイリスク群が認められた。脳統計画像解析では、主に若年型AD患者や一部のMCI患者で、明らかな海馬や海馬傍回の萎縮を認める以前に側頭頭頂領域での萎縮、SPECT所見で同部位の血流低下が認められており、これら結果との関連も続けて研究している。以上からも事象関連電位およびそのLORETA解析、探索眼球運動は患者にとり、非侵襲的で有用な生理学的指標となることが示唆された。今後更に対象者を増やすとともに、MCI患者において経目的に検査を行うこと、また時間分解能に優れている近赤外線スペクトロスコピーも導入し、探索眼球運動や事象関連電位との同時計測が可能であり、AD患者の早期診断の診断率の向上を目指していく。現在コリンエステラーゼ阻害剤などによる抗認知症薬の治療効果についても研究中である。
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Research Products
(10 results)