2007 Fiscal Year Annual Research Report
Fynチロシンキナーゼ活性化を介する抗精神病薬の作用機序に関する精神薬理学的解析
Project/Area Number |
19591391
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
服部 功太郎 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所・微細構造研究部, 室長 (50415569)
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Keywords | 抗精神病薬 / 統合失調症 / Fynチロシンキナーゼ / ドーパミンD2受容体 / NMDA受容体 / シグナル伝達 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は「(1)抗精神病薬によるFyn活性化の精神薬理学的意義と、(2)細胞内情報伝達系を介した抗精神病薬の作用メカニズムを明らかにすること」であった。(1)に関しては実施計画の通りの解析を行い論文にまとめることができた。また(2)に関しては、新たな知見は得られたものの、さらに解析を要する段階である。 (1)について:研究実施計画にあった「D2-R拮抗薬によるFyn活性化の時空間的評価」,「第2世代抗精神病薬投与によるFyn活性化の解析」を行い、ハロペリドールによるFyn活性化が統合失調症の症状と関連の深い脳部位、側坐核・帯状回皮質で生じていること、第2世代抗精神病薬でも時間の違いはあるものの同様の反応が生じたこと、一方、ハロペリドールの副作用にかかわる外側線条体では反応性の違いが認められたことが判明した。それらの成果は"Spatial and Temporal Pattern of Fyn-tyrosine-kinase Activation in the Mouse Brain after the Administration of Antipsychotics"として現在投稿中である。 (2)について:本年度「Spectrin, hnRNPのFynによるリン酸化の解析」を行う計画であったが、解析を進めていくとこれらの分子はFynの基質として主要なものではないことが判明した。2次元電気泳動、タンパク精製法の改善により、新たに主要な基質を同定することができた。リン酸化部位特異抗体により、その分子は抗精神病薬によりFynを介して活性化することが判明した。今後、in vitroの解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)