2007 Fiscal Year Annual Research Report
特発性REM睡眠行動障害のパーキンソン病初期病態の可能性に関する病態生理学的検討
Project/Area Number |
19591393
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
井上 雄一 Neuropsychiatric Research Institute, 研究部, 部長 (50213179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 靖哲 財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (60419025)
下 由美 財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (80384080)
宮本 智之 濁協医科大学, 医学部, 講師 (40296174)
高田 佳史 東京医科大学, 医学部, 講師 (30276927)
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Keywords | REM sleep behavior disorder / a synucleiopathy / REM without atonia |
Research Abstract |
本年度は、REM睡眠行動障害(RBD)がαSynucleiopathyの初期症状になりうることに注目して、αSynucleiopathyの代表的疾患であるパーキンソン病(PD)と多系統萎縮症(MSA)におけるRBDの症状と経過の特徴を比較検討した。本研究では、入院治療を受けたPD40例、MSA16例を対象とし、これらについて、REM関連症状に関する問診と睡眠ポリグラフィ(PSG)を実施した。また特にMSA8例についでは、1年以上経過した時点で追跡調査を行った。 PD,MSAともに、RBDに特徴的な筋放電を欠くREM睡眠(REM sleep without atonia;RWA)が60%以上にみられ、両群間ではMSAの方がRWA量が有意に多かった。しかし、両群ともに、無症候ないし寝言のみにとどまっていた症例が大半であり、典型的なRBDの既往を有する症例はRWAを有する症例の3割以下であった。また、上記αSynucleiopathyでのRBD関連症状出現時期は、PDでは神経症状発現前であったものは3例めみであり、PD発現後経過につれて増加傾向を示した、一方MSAでは、すべてが、神経症状発現前後に集中しており、しかも2年以内に症状消失していた。またMSASで追跡調査を行った8例では、無症候で経過したものの、RWA量は増加していた。 以上より、αSynucleiopathyの側からみるとRWAが先行するケースは比較的稀であり、特発性RBDに比べてRBDの症状が軽度にとどまることがわかった。また、PDとMSAはRBD経過が異なっており、後者では自然消失するケニスが多いことが明らかになった。おそらくこの差は、両疾患での神経変性過程の差(MSAの方が急速かつ広汎な神経性わきたすため、運動系の経路が抑制される)によると考えられた。
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Research Products
(12 results)