2008 Fiscal Year Annual Research Report
PETにおける非観血入力関数測定システムの開発と定量性向上について
Project/Area Number |
19591394
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保 直樹 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 助教 (80241389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 純一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90333624)
加藤 千恵次 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (10292012)
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Keywords | PET / 入力関数 / 超音波診断装置 / 非侵襲的検査 |
Research Abstract |
核医学検査は生理的情報を定量つまり絶対値として測定できるという特徴がある. しかしこのためには動脈血中の放射能濃度を測定することが必要となる、そこで小型の放射線検出器と超音波診断装置を組み合わせることでPET(ポジトロン放出断層撮影)における非観血入力関数測定用システム構築を目的とした. 本システムは腕の動脈を対象とする. 採血の必要がないため被検者への負担を大幅に減らすことができる. 今回, 組み上げたシステムにおいて^<22>Na線源400kBqの線源で11kcpsの計数率を得ることができた. 次に超音波診断装置における空間分解能劣化による動脈血中放射能濃度の誤差についてシミュレーションをおこなった. 本システムの放射線検出器サイズは10×1mmとし, 腕の直径を100mm, 動脈の直径を3mmと仮定した. 放射能濃度は動脈血中において48kBq/mL, 腕つまりバックグラウンドとして1.0kBq/mLと設定した. 空間分解能劣化による動脈直径の測定誤差0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5mmの場合とした. このことで動脈面積は真の値が7.1mm2であったのに対8.0, 9.1, 10, 11, 13mm^2と測定されることになった.このことで測定される動脈血中放射能濃度は, 真の放射能濃度と比べ8%, 15%, 22%, 29%, 35%の誤差を含む結果となった. 一方, 腕の放射能濃度(バックグラウンド)では8%, 17%, 27%, 37%, 47%の誤差となっていた. 超音波診断装置の方位分解能については開口サイズが10mm, 焦点深度が20mmの10MHzプローブの場合理論的に0.3mmになる力弐, 現在の超音波診断装置はこの理論値に近いものも存在する. そのため今回のシステムにおいては, 動脈血中濃度を約20%程度の誤差で測定することが可能であると示された.
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