2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591398
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
洞口 正之 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (20172075)
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Keywords | 放射線 / 医療 / 福祉 / 循環器 |
Research Abstract |
IVR術者の最適な防護を行うため、前年度の検討結果から候補として挙げられた無鉛(タングステンとスズ組合せ)を用いた放射線防護衣(プロテクター)が、IVR術者防護に有用かどうかを明らかにする研究である。 1. 無鉛プロテクターのX線遮蔽効果の基礎検討 : 無鉛プロテクターの放射線防護効果等に関する基礎試験(ファントム実験)および従来タイプの鉛プロテクターとの比較検討を行った。その結果、90度方向の散乱X線においては、管電圧120kVでも無鉛タイプは鉛タイプとほぼ同等の遮蔽能力を示した。IVR術者被曝はほとんどが散乱X線に起因するものである。さらに無鉛タイプのプロテクターは軽量であるので、IVRの術者被曝防護に適していると考えられる。更に無鉛タイプはリサイクルが可能であり、環境(毒性)問題も無く有利である。 2. 無鉛プロテクターのIVR臨床評価 : 無鉛プロテクターまたは鉛プロテクターを着用したIVR術者に、半導体式ポケット線量計を装着し、被曝線量を評価している。プロテクターを着用して感じる術者の主観的な評価(着心地や重量感)についても調査している。現在、研究が進行中であるが、IVR術者用として無鉛プロテクターの有用性を確められつつある。今後検討を続け、論文投稿等を行い、研究成果を公表する予定である。 3. 初期研究成果公表 : 基礎検討結果が、欧文誌Radiat Prot Dosimetryに掲載(Epub ahead of print)された。さらに成果の一部を北米放射線学会(RSNA)で報告し(K. Chida, M. Zuguchi, et.al. Radiation protection basics for IVR staff : Usefulness of non-lead aprons. Radiological Society of North America 2008)、そして権威あるRSNA Exhibit Award, "CERTIFICATE of MERIT"を受賞した 〔連携研究者〕 : 千田浩一(東北大学医学系研究科准教授)、山田章吾(東北大学病院教授) 〔研究者協力者〕 : 加藤守(秋田成人病センタ)
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Research Products
(2 results)