2009 Fiscal Year Annual Research Report
超急性期脳梗塞の早期CTサインの検出支援システムの開発
Project/Area Number |
19591402
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐井 篤儀 Niigata University, 医歯学系, 教授 (50178464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 元政 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30161582)
李 鎔範 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10334658)
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Keywords | CT / 脳梗塞 / 画像処理 / コンピュータ診断支援(CAD) |
Research Abstract |
本研究の目的は,単純CT画像における急性期脳梗塞の脳実質低吸収域の検出のためのコンピュータ支援診断(CAD)システムを開発することである.急性期脳梗塞の画像診断では,虚血領域の有無とその範囲を同定することが重要である.多くの施設では救急時の第一選択として単純CTが用いられているが,急性期脳梗塞に対する低い検出率,虚血範囲判定の精度の低さが問題となっている.この問題の解決のため,虚血領域の強調・検出・視覚化の3つの方法について提案し,その有用性を評価した.初めに,低吸収域を強調することを目的としたノイズ低減フィルタを提案した.シミュレーション実験により既存の14種類のノイズ低減フィルタと性能比較を行った結果,提案手法は,急性期脳梗塞の低吸収域の描出に関して最も高い性能を有することがわかった.さらに,臨床画像を用いた観察者実験の結果,提案手法は,検出感度を69%から89%に有意に向上させることができた.次に,低吸収域の自動検出を目的として,左右脳実質のヒストグラム解析に基づく低吸収域の検出方法を提案した.臨床画像に本手法を適用した結果,検出感度は約92%,1画像あたりの偽陽性数は約0.16個であった.最後に低吸収域の視覚化を目的とした画像統計解析に基づくZスコアマッピング法を提案した.臨床画像に適用した結果,低吸収領域と正常領域の間でZスコア値に統計的有意差が認められた.臨床上の観察者実験の結果,低吸収領域の範囲定量化の正確さは82.6%から86.6%に向上した.本研究では,単純CT画像における急性期脳梗塞の診断に関するCADシステムの構築に向けて,核となる3つの主要な要素技術を考案しその有効性を確認した.
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Research Products
(3 results)