2008 Fiscal Year Annual Research Report
接着分子インテグリンをターゲットにした非侵襲的な生体イメージングに関する検討
Project/Area Number |
19591406
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
金 朝暉 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, 研究員 (70324150)
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Keywords | インテグリン / alpha Vbeta3 / multimeric RGD / ^<64>Cu / PET |
Research Abstract |
インテグリンα_vβ_3は膜タンパク質で、血管新生、悪性腫瘍の増殖、進展及び転移に深く関与している。血管新生時の血管内皮細胞及び一部の腫瘍細胞ではα_vβ_3が高発現し、腫瘍イメージングの重要なターゲット分子の一つであると認められている。α_vβ_3にはRGD(アルギニン・グリシン・アスパラギン酸)の3つのアミノ酸を持つ環状ペプチドが特異的に結合する。α_vβ_3をイメージングするためのプローブはこれまでに各種開発されている。最近、multimeric環状RGDはその単量体に比較して、α_vβ_3への親和性や特異性が高いことが報告されている。本研究では、新しく開発された環状RGDの四量体RAFT(cRGD)_4を用い、ポジトロン放出核種である^<64>Cu標識による腫瘍PETイメージングを目的とした.まずRAFT(cRGD)_4に^<64>Cuを安定に結合させるキレート剤cyclamを導入し、RAFT(cRGD)_4-cyclamという分子が設計、合成された。^<64>Cuを用い、cyclam-RAFT(cRGD)_4との標識検討を行ったところ、放射化学的純度約100%で^<64>Cu(cyclam)RAFT(cRGD)_4を得ることに成功した。得られた^<64>Cu標識体はin vitro評価により、かなり安定であることが確認された。一方、α_vβ_3発現の高い細胞では^<64>Cu(cyclam)RAFT(cRGD)_4の特異的結合が見られた。また、マウス生体内分布評価では、血液からの速やかな消失、腎臓以外の非標的臓器への非常に低い放射能集積を示し、α_vβ_3陽性腫瘍への高い集積を認めた。さらに、PET撮像したところα_vβ_3陽性腫瘍を明瞭に描出することが可能であった。今後^<64>Cu(cyclam)RAFT(cRGD)_4の腫瘍PETイメージング剤としての展開が期待される。
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