2008 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた腫瘍細胞密度を可視化する分子画像の開発と癌治療への応用
Project/Area Number |
19591409
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松島 秀 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70444297)
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Keywords | 分子画像 / 細胞密度画像 / MRI / 磁化移動効果 / 乳癌術前化学療法 / 早期診断 / 早期治療効果 / オミックス |
Research Abstract |
1.目的:本研究の目的は,昨年度,細胞密度を可視化する分子画像として開発した交差緩和率画像(equivalent cross-relaxation rate (ECR)image (ECRI))を用いて乳癌術前化学療法における早期治療効果判定を行うことである。 2.具体的内容:昨年度の研究により,ECR値は細胞密度と相関した値を示し,ECRIは細胞密度を可視化する分子画像であることが明らかになった。ECR値は細胞密度が高い部位で高値を示し,細胞密度の低下や線維成分の増加により低値を示した。一方,癌化学療法では,癌組織の形態的な変化が起こる前段階で細胞密度の低下や線維成分の増加が起こるとされており,上記のような特性を持つECRIは癌化学療法における早期治療効果判定に有用であると推察される。乳癌術前化学療法を予定している乳癌患者の早期治療効果判定にECRIを応用した結果,術前化学療法後の病理検索でpCR(pathological complete response)となった症例ではで術前化学療法中に癌組織のECR値が顕著に低下した。 3.意義:癌化学療法において,早期治療効果判定は予後および治療方針を決める上で重要である。本研究ではECR値を用い,乳癌術前化学療法における早期治療効果を評価することにより,pCR症例を早期に検出することが可能である。ECRIは乳癌術前化学療法における癌組織の変化を組織・細胞の状態変化として検出し,形態的な変化が起こる前段階で治療効果を評価し得る分子画像である。 4.重要性:ECRIは癌化学療法における早期治療効果判定に貢献する分子画像であると考えられた。
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Research Products
(3 results)