Research Abstract |
本年度は,1)線量測定,2)肺野結節ファントム実験,3)ボランティアによる正常肺野データの収集,4)症例肺のデータ収集(肺野結節を有する患者,肺気腫の患者,心不全の患者)を行った。 1)線量測定 線量測定は,通常の16列N-DCTとの比較を行った。撮像条件は以下のとおりである。・CBCT(ConeBeamCT):120kV,10mA,5.5sec/rotation,SPD250cm,FOV40×40cm・SOMATOM,SensationCardiac-CT:120kV,100mAs,Feed/rot10mm,ヘイカルピッチ1.0 (1)FPD(Flat-panel detector)前面での線量分布では、FPD上面(肺尖部分)で約6%〜11%線量低減部分はあるものの、FPD全体での大きな差は認められなかった。 (2)CB・CTのファントム吸収線量(CT用電離箱線量計)では,ファントム内で0.09〜0.25mGy又,ファントム表面で約0.22〜0.26mGyとなった。 (3)CB・CT(低管電流10mA撮影装置)はSOMATOM Sensation Cardiac-CTに比べ,ファントム内で約1/30〜1/50,またファントム表面で,約1/30となり患者被ばく線量は大幅に低減できると考えられた。 2)肺野結節ファントム実験,胸・腹部用X線水ファントム(京都科学製)の外郭に水を入れ,中心部には、900HU程度の紙おむっを詰め,紙おむつ中に、650HU,種類の模擬結節'(サイズφ3,5,8,10,12mm,京都科学製)を配置した。シーメンスMDCT4列で認識可能な結節を,キヤノンCBCTでも認識できるか目視で観察した。撮影条件1シーメンス4列120KV150mAsスライス厚1.25mmピッチキヤノン120KV50mAs実効線量0.12mSv相当結果:-650HUノジュールシーメンスMDCTはφ3mmまで鮮明であったキヤノンCBCTはφ5mmまで鮮明であった-800HUノジュールシーメンスMDCTはφ3mmも認識可能であったキヤノンCBCTはφ8mmまで認識可能であった 3) 4)正常肺野画像データ、臨床画像データ収集いずれも,大学倫理委員会の承認を得て,データを収集した。
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