2009 Fiscal Year Annual Research Report
MR計算画像T2*及びT2mapによる生体肝内鉄の非侵襲的評価とその臨床応用
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19591424
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉満 研吾 Fukuoka University, 医学部, 教授 (20274467)
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Keywords | 肝 / 脾 / 鉄代謝 / T2*値 / T2値 |
Research Abstract |
慢性肝障害、特にC型肝炎においては、肝内の鉄の沈着が、肝障害増悪、肝線維化の進行、肝癌発癌の各prceessに増悪因子として働く事が知られている。今回我々が、Philips Medical Systemsと協力し開発した、MR計算画像であるT2* mapおよびT2 map作成ソフトのを用いてそれぞれのmapを作成しこれまで約90名の患者に対し、肝の各部位のT2*値及びT2値をdirectに計測してきた。さらに今年は脾のT2*値及びT2値も解析した。 種々の肝機能を有する患者(正常、Child-Pugh A~C群)に対し、T2*map、T2 mapを作成し、その肝実質の評価を行なった。肝機能が低下するにつれT2*値は低下し、従来の報告通り、肝実質に鉄沈着がおこることを始めて画像的に示した。一方、SPIO投与後のT2*値、T2値の変化率も肝機能相関した。即ち、肝機能障害が進行するにつれΔT2*、ΔT2ともに低下した。これは、前者が肝機能障害に伴うKupffer細胞のclustering機能の低下を表し、後者はKupffer細胞により取りこまれるSPIO量自体の減少を反映するもの、と考えられた。また手術例において、得られた組織内のhemosiderinと相関を検討したところ、T2*値との有意な相関が認められた。T2値との相関は認めなかった。 脾においては、基本的には門亢症のため脾は鬱血しT2、T2*とも延長傾向となるが、微小出血の結果として鉄結節(Gmna-Gandy body : GGB)が形成されると両者短縮し、最終的には両者のバランスによって決定される。SPIO投与後は肝機能を反映し肝機能障害が進行するにつれ肝で処理されない鉄が脾によって処理されるためΔT2*、ΔT2ともに増大した。
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Research Products
(1 results)