2008 Fiscal Year Annual Research Report
静磁場強度が異なるMR装置での血管撮像の測定精度の研究
Project/Area Number |
19591426
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
肥合 康弘 Kumamoto University, 医学部, 助教 (40404339)
|
Keywords | MRI / MRA / 動脈瘤 / 3DTOF / 3テスラ |
Research Abstract |
3Tの磁場強度を持つMRI装置が臨床に使用されるようになり画質が大きく変化している事が報告されている。それによってMR Angiography(MRA)による血管描出能がどの様に変化したか、また、最適な撮像条件は1.5Tと比較して差異があるかを把握することは重要である。昨年度は、特に3DTOFMRAでの頭部動脈瘤の描出能の変化をファントムを用いて比較検討し、それぞれの磁場強度で最適な撮像パラメータを検討し、磁場強度による比較を行った。 本年度は、躯幹部のMRAについての検討を主に行った。現在躯幹部のMRAに使用されているシークエンスは、造影剤を使った方法が主であるが、近年NSF等の副作用が問題となり非造影のMRAが注目をあび、NATIVEやFBI等と呼ばれるシークエンスでの撮像も盛んに行われるようになった。今回はこの造影、非造影の両シークエンスにおける3Tと1.5Tの血管狭窄の描出能の比較を行った。評価方法としては、6mm径の血管に10%から90%の狭窄率を持つ血管ファントムを用い、撮像パラメータとしてはマトリックスを変えて評価した。評価としては、視覚的に描出能を5段階に評価する視覚的評価と、画像の狭窄率を測定し、実際のファントムの狭窄率との違いを比較する定量的評価の二通りで行った。 詳細は、今後論文で発表するが、造影、非造影MRAともに、視覚的評価では、狭窄率によっても評価に違いが見られたが、3Tの評価が有意差を持って高かった。また、定量的な評価では、3Tと1.5Tでの差が見られなかった。造影MRAと非造影MRAの比較では、視覚、定量評価共に有意差を持って造影MRAが高評価であった。また、マトリックスサイズの違いによる評価の差は、若干あったが昨年行った頭部MRAでの3DTOFの評価のような顕著な差は見られなかった。
|