2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血領域において過大評価されるMRI造影剤濃度の補正法
Project/Area Number |
19591427
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
陳 国躍 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 准教授 (20282014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 靖 秋田県立大学, 秋田県立脳血管研究センター(研究部門)・神経内科学研究部, 主任研究員 (70360360)
中村 和浩 秋田県立大学, 秋田県立脳血管研究センター(研究部門)・放射線医学研究部, 研究員 (10312638)
|
Keywords | MRI / 動的磁化率コントラスト法 / 脳虚血ラットモデル / 脳血流量 |
Research Abstract |
Gd造影剤を用いた脳血流量計測では、虚血部位において動脈入力関数が正しく推定されたとしても、CBF値を過大評価してしまう可能性があることを我々は報告してきた。これは虚血部位において造影剤濃度が過大評価されているためと考察している。そこで本研究では、脳虚血部位での造影剤濃度と信号強度の関係を表す簡便なモデル式を構築し、その補正方法をラットから得られたデータに基づき検証することを目的とした。 本年度は、常磁性体の磁気遮蔽効果とプロトンの拡散距離を考慮にいれたモンテカルロ法に基づくモデル解析を拡張して、生理学的により妥当な血管モデルを含んだ形でのシミュレーションを進めた。その結果、異なる径の血管が含まれているボクセルを模擬することで、虚血領域における造影剤濃度と信号強度の変化から造影剤濃度の過大評価が生じる可能性を指摘できた。生理学的な血管径増大で造影剤濃度について数10%の過大評価があることを示した結果である。シミュレーションモデルのプログラムを最適化することで従来の方法に比べ数10分の1の時間で解析可能となり、今後より複雑な生体モデルで検討していく。また、動物実験モデルにおいて60分間の虚血再灌流48時間後に著しい高灌流状態がDSC法、CASL法それぞれの手法で発現することが見出された。この遅延性脳血流量上昇現象について、DSC法、CASL法の血流量推定値を分画分析法により解析した。その結果、脳血液関門の障害程度で結果は異なるものの、これまでの報告と同様の造影剤濃度の過大評価が生じていることを示すことができた。これは、虚血再灌流領域でも血管径が増大し、造影剤濃度推定式の比例定数が正常領域に比べて増加しているためだと考えられる。
|
Research Products
(4 results)