2008 Fiscal Year Annual Research Report
PET薬剤製造における酸素18-濃縮水の品質管理法の開発
Project/Area Number |
19591432
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
寺崎 一典 Iwate Medical University, 医学部, 講師 (60285632)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・RIセンター, 教授 (60143038)
|
Keywords | PET / PIXE / 酸素18濃縮水 / フッ素18標識薬剤 |
Research Abstract |
18^O-濃縮水(ターゲット水)は、18^F-標識薬剤を合成する上で重要な出発原料である。本研究はターゲット水を再利用するため、PIXE(粒子線励起X線放出)分析法を用いた信頼性の高いターゲット水の品質管理法を確立することを目的とする。20年度は、最適化したPIXE測定条件に基づいて得られた結果とICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析)を比較し、分析法の妥当性を確認した。さらに、使用済ターゲット水の簡便な再生方法として、活性炭、イオン交換などの各種使い捨てカートリッジに通すことで再利用可能なレベルまで精製が可能になるのかPIXE法により評価した。また、高品質なPET薬剤を得るため、製造工程管理(プロセスコントロール)の考えに基づき、18^Fの製造を含む各製造工程においてPIXEによる品質検査を実施し、製造条件の最適化を行った。得られた結果を以下に示す。 (1)ICP-MS、PIXE分析の比較結果から、PIXEではCl、K、Mg量がわずかに高かったが、両者でほぼ一致した結果が得られ、PIXE法の妥当性が証明された。(2)4種類のカートリッジを連結した精製によって、多金属標準液中の元素除去率は95%と効果的に除去できることを確認した。(3)18^F-フッ化ナトリウム製剤の各製造工程においてGe半導体検出器による放射性不純物とPIXE分析による不純物元素を指標にすることで効率的、高品質な製剤化の条件設定が実現した。 PIXEは微量試料で簡便、迅速な多元素同時測定が可能であり、ターゲット水の品質検査、PET薬剤の製造工程管理にとって最適な分析法であり、ルーチンな品質管理に活用できることがわかった。
|
Research Products
(4 results)