2008 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ガンマカメラを用いた微小心筋障害の検出に関する研究
Project/Area Number |
19591436
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
汲田 伸一郎 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (70234523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 義光 日本医科大学, 医学部, 助教 (80516104)
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Keywords | テルル化カドミウム / 半導体ガンマカメラ / 核医学検査 / SPECT / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
〔目的〕核医学検査は生体内の薬剤分布が画像化できることから、生理的な臓器の状態を調べることができる機能画像として知られている。しかしながら、CTやMRI等の検査法に比べて、空間分解能が低いため、微小病変を十分に検出できないという永続的な課題がある。しかしながら、近年高い分解能が期待される半導体検出器が開発され、今後、画像診断医おけるRI検査の位置付けを変える可能性がある。我々の施設では、同半導体パネルを使用する機会を得たため、半導体を用いたガンマカメラシステムを構築し、実際の臨床例に用いその特徴を生かした新しい撮影方法を検討することを研究目的とする。 〔方法〕心筋逸脱酵素(CK-MB,cTnT)の上昇および心電図所見により急性心筋梗塞と診断された38例を対象とした。微小病変評価のために心電図所見により非ST上昇型心筋梗塞(心内膜下梗塞)11例を抽出した。ST上昇型心筋梗塞例および非ST上昇型心筋梗塞例に対し、従来機器(NaI検出器を用いたガンマカメラ装置)と半導体検出器(CdTe検出器)を用いたガンマカメラ装置の病変検出能の差異について比較検討を行った。全例で心筋血流SPECT検査を施行。^<99m>Tc-MIBI600MBq投与60分後よりNaIを用いた従来のガンマカメラ(Infinia)、続けて投与90分後より半導体ガンマカメラ(R1-M)にて撮像し、両イメージにおける梗塞部の検出率を比較した。 〔結果〕梗塞部の検出はST上昇型心筋梗塞(重症例)においては両イメージともに全例で病変部を同定可能であったが、非ST上昇型心筋梗塞(微小病変例)においてはNaI像では11例中6例(55%)、CdTe像では11例(100%)で同定可能であり、CdTe像において有意に検出能が高かった(P<0.05)。半導体ガンマカメラ使用により微小(軽症)心筋梗塞例のより正確な病変部描出が可能であった。
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