2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591441
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 浩義 Keio University, 医学部, 教授 (10213175)
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Keywords | 医療放射性廃水 / 膜分離 / 環境 / 核医学検査 |
Research Abstract |
本研究課題では、核医学検査・RI治療において多用される放射性ヨウ素および放射性テクネチウムの廃液を分離・濃縮することにより、(1)核医学被検査者が自ら使用できる携帯型尿濾過器の開発、および(2)隔膜電気浸透法を用いて、微電力においても分離処理可能な放射性廃水濃縮処理システムの開発を目的とした。初年度は、自研究室で製造した陰イオン交換濾紙膜を用いたイオン選択性実証試験を行い、イオンサイズに関係なく放射性ヨウ素および放射性テクネチウムが膜分離できることを明らかにした。本年度は、より実用化に近づけるために、初年度実施した濃度勾配を駆動力とする系でのイオン流束をより上げるために、外部電気負荷による電気透析試験を実施した。当該実験系では、外部電気負荷密度に従って、放射性ヨウ素および放射性テクネチウムが濃縮された。一方で、本研究課題が目標とする微弱電力の装置稼働には、電極間の近接化と放射性廃水含有塩濃度の調整が不可欠であることが明らかとなった。現在、このための電気透析装置の改良を実施中であり、平成21年度に検証を行う。また、陰イオン交換濾紙膜に関しては膜成形できない形態ではあるが、単位重量当たり2.2倍の交換容量を有するセルロースの開発に成功しており、前記(1)の携帯型尿濾過器の開発に有効な素材となる。更に、本研究課題の遂行過程で開発された陰イオン交換濾紙膜は生体タンパク質の分離・精製に利用できる可能性を有することが明らかになり、その分野での発展も期待されている。
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Research Products
(5 results)