2008 Fiscal Year Annual Research Report
REG遺伝子による癌化学療法・放射線療法の感受性予測とその増感誘導
Project/Area Number |
19591451
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 雄亮 Akita University, 医学部, 助教 (10431628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本山 悟 秋田大学, 医学部, 講師 (60292372)
丸山 起誉幸 秋田大学, 医学部, 助教 (80361228)
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Keywords | 食道扁平上皮癌 / Regenerating gene / 放射線感受性 / 抗がん剤感受性 / 細胞周期 / 化学放射線療法 |
Research Abstract |
癌治療における放射線療法・化学療法の進歩はめざましく、社会から寄せられる期待も極めて大きい。放射線療法・化学療法感受性をいかにして予測するか、また感受性のない患者に対していかにして感受性を獲得させるかが大きな課題である。本研究では膵β細胞の再生増殖に関与する遺伝子として発見され、最近では癌の増殖、進展、あるいは固形癌の予後に関与する事が報告されているRegenerating gene(REG)1が「食道扁平上皮癌の放射線療法・化学療法の感受性を増大させる」との仮説のもと研究を行った。最初にREG発現のない食道扁平上皮癌培養細胞TE-5, 9にREGIαおよびβ遺伝子を導入させ、遺伝子導入が確実に行われた事をウエスタンブロットで確認した。REG Iαおよびβ遺伝子導入させたこれらのTE細胞に放射線(5-10Gy)照射、抗がん剤(シスプラチン)投与を行い、これらの感受性を検討したところ、コントロール(Mock遺伝子導入細胞)群と比較し、放射線および抗がん剤感受性が有意に増大することが判明した。放射線照射および抗がん剤投与同時施行による相乗効果は認められなかった。細胞周期をフローサイトメトリーで検討したところ、REGIαおよびβ遺伝子導入による細胞周期変化を認めなかった。これらの研究結果より、REGIαおよびβ遺伝子導入により細胞周期を変える事なく、放射線および抗がん剤感受性を獲得すると結論した。この研究結果は食道扁平上皮癌患者に対する個別治療の実施に大きく貢献するばかりか、REGI遺伝子導入によって癌治療効果を上げるという将来展望も同時に示し得た。
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