2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591452
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 義久 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (00134205)
|
Keywords | 陽子線 / ボーラス / Wobbler法 / 2重リング2重散乱体法 / ガウス型Penumbra関数 / 散乱 |
Research Abstract |
(1)Wobbler法における線量計算モデルの確立:10mm□で異なる底厚(20-70mm,10mmおき)を持つ数々の直方体のボーラス要素(材質:サイコウッド)を通過する陽子線が水中で作る線量分布を解析的な式を積分して求めた。こうして求めた線量分布を、4つのパラメータを持つガウス型Penumbra関数で最適Fitし、Fitパラメータを求めた。Fitは、±0.5%p-p以下の誤差範囲で元の値と一致した。Fitパラメータを水中深度、Bolus要素の底厚の関数として評価したところスムーズな曲線で表わされた。ガウス型Penumbra関数による計算時間は、元の正確な式のそれの0.3%以下でできることが分かった。これにより、当初の予定通り、このFit関数を使って、ボーラス要素を通過する陽子線が水中で作る線量分布を高速に正確に計算できることが分かった。(2)HIMAC生物ビームラインにおいて、160MeV陽子ビームを使い、10mm□で異なる底厚(20-70mm,10mmおき)を持つ数々の直方体のBolus要素(材質:サイコウッド)を通過する陽子線が水中で形成する線量分布を、水ファントム検出器(水平方向に2mmピッチで置かれた96channelの平行平板電離箱)で測定した。またRange shifterの厚さも3種類変化させて測定を行った。得られた結果を、計算したものと比べたところ、Bolus要素を挟んでいた真鍮コリメータの表面散乱と見られる影響で幅の増加と分布の裾が見られた。(3)2重リング2重散乱体法における正確な線量計算モデルを開発しボーラス要素を通過する陽子線の水中線量分布を計算した。外リングを通る成分の計算は、全ビームをカバーする外リング材質の一様な板を通過する陽子の分布から、外リング材質でできた内リングを通過する陽子の分布を引いて求めた。こうして計算を内リングを含む3つの成分に分けることで、全ての関数を簡単な傾斜付きガウス型Penumbra関数でFitできるようにした。Fitの精度を確認したところ、水中で浅いところでの誤差が大きい場合がありFit関数に改善が必要であることが分かった。
|