2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌放射線感受性予測法としての未成熟染色体凝集法の改良に関する基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
19591454
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
笹井 啓資 Niigata University, 医歯学系, 教授 (20225858)
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Keywords | 放射線感受性 / 未成熟染色体凝集 / HVJ Envelope |
Research Abstract |
放射線照射後の染色体障害と細胞の生存率の間に密接な関連がある。未成熟染色体凝集法(PCC:Premature Chromosome Condensation)により間期細胞の染色体障害を細胞を培養せず観察することが可能である。本方法の最大の弱点はPCCの収率で、この点が障害となって臨床応用に結びつかなかった。本研究では不活化センダイウイルスエンベロープ(HVJ-E)を用い、in vitroでヒト由来腫瘍細胞で高いPCC収率を得る条件を決定することを目的に、M期のHela細胞と不活化HVJ-Eを用いて細胞融合を起こしPCCの誘導を行った。まずM期Hela細胞が最も高収率で得られる培養条件を求めた。次にM期Hela細胞とGO期ヒト食道癌細胞(京都大学より供与)をそれぞれ100万個を混合し、これに不活化HVJ-E(石原産業)を加え細胞融合を起こさせPCCを誘導し、最も多量にPCCが得られる条件を決定した。HVJ-E量は12.5μ1から50μ1まで変動させ、また、細胞間の密着の程度を変えたところ、HVJ-E 18μ1を加え、かつ遠心を行って緩いペレット作成した場合に最も収率が高いことが明らかになった(1スライドあたり平均88個、S.D.9個)。今後はこの条件でPCCを誘発し放射線照射後GO期癌細胞における染色体障害と放射線感受性を比較検討するとともに、付着細胞に関してPCCを誘導する方法、in vivoで照射した細胞でPCCを誘導する方法の開発を行う。
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