2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌に対する乳房温存術後加速乳房部分照射の日本人への適応に関する研究
Project/Area Number |
19591457
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 智香子 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (90437210)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 講師 (10263089)
成田 雄一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (30311385)
|
Keywords | 乳癌 / 乳房温存療法 / 加速乳房部分照射 / 高精度放射線治療 / 日本人乳房 |
Research Abstract |
1.乳房温存療法患者の体格データの取得:当科で治療した乳房温存療法患者20例においのCT-simulation画像データから、患者の体格および乳房の形状に対するパラメーターを収集し、体格と乳房のサイズや形状を3つのパターンに分けた。 2.CT-simulation画像データを用いたAPBI治療計画:上述の方法で分類した各パターンの患者についてそれぞれCT-simulation画像データをもとに仮想の治療計画を行い、実際の腫瘍床領域のみならず、A,B,C,D各領域についても腫瘍床が存在するものと仮定し、治療計画を行った。APBIの有効性を検証するために行われているランダム化比較試験であるNSABP B39/RTOG 0413のプロトコールに従って治療計画を行い、標的臓器や正常組織の線量分布がプロトコールに示されている線量制約を遵守できているかどうかを検証した。しかし、3つに分類した患者体型・乳房のパターンのうち、最も大きな乳房に分類された群においてさえ、線量制約を遵守できた症例は少なく、また、内側領域(A領域・B領域)の腫瘍では、遵守できた症例はなかった。 3.そこでわれわれは、腹臥位による治療の可能性を探ることにした。従来より欧米を中心に大きな乳房の患者に対して腹臥位での全乳房照射が行われている。また一部の施設では腹臥位での照射をAPBIにも応用している。しかし、これらの報告を見る限り、腹臥位でのセットアップに用いる支持用具は簡易なもので、精度も充分とはいえない。この点を改良すべく、当施設独自に腹臥位照射用の支持マットを作成した。 4.上記支持マットを使用し、現在までに6名の患者で全乳房照射を行った。全乳房照射の治療計画や実際の治療を通じて、患者の固定精度を検証しつつ、腹臥位でのAPBIが日本人でも施行可能かどうかを検討しているところである。また、支持マットについても医療者側の検証だけでなく、患者のアンケートも行いながら問題点を検討し、改良を加えたところ、治療中の患者精度は向上した。
|
Research Products
(3 results)