2007 Fiscal Year Annual Research Report
投与線量検証を可能にする高精度光子ビーム照射シミュレーション実用化に関する研究
Project/Area Number |
19591463
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
齋藤 秀敏 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 教授 (50196002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 達也 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00285058)
国枝 悦夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70170008)
明上山 温 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (90347279)
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Keywords | 外部放射線治療 / モンテカルロシミュレーション / ヘッド散乱係数 |
Research Abstract |
本研究は、光子ビームによる外部放射線治療で行われているファントムと線量計のみによる投与線量検証に、測定器の空間分解能、エネルギー特性などに理論的な裏づけを与えること、モニタ設定値計算までを可能にしたモンテカルロシミュレーションによる線量計算の実用化を研究の目的としている。 外部照射装置の出力を決定するための計算パラメータの一つであるヘッド散乱係数はプライマリコリメータ、フラットニングフィルタ、モノブロックコリメータおよびマルチリーフコリメータによる透過と散乱に依存する量である。これまでは測定することが不可能だった強度変調放射線治療での小さなセグメントでのヘッド散乱線の寄与を明らかにするため、照射ヘッド内における治療ビームの透過、散乱過程をシミュレーションし、それぞれのコンポーネントからの透過と散乱を解析した。この結果から、X線発生源からの距離によるエネルギーフルエンスの減少、照射ヘッド内のモニタ線量計へのモノブロックコリメータからの散乱線の寄与などを考慮したヘッド散乱係数算出法を提案した。 また、モンテカルロシミュレーションでの吸収線量計算精度は、照射野位置による光子エネルギースペクトルの変化、射野位置によるエネルギーフルエンスの変化、光子ビーム照射において照射ヘッドで発生する電子により決定される。照射野位置によるエネルギースペクトル、エネルギーフルエンスの変化は、体内吸収線量の精度を決定する重要なパラメータであるが、一方、計算時間を増大させるパラメータであり、シミュレーションを複雑にする要因でもある。このことから、各パラメータのビーム特性再現のための重要度の検討を行い、シミュレーションに最適な治療ビームモデルの提案を行った。
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