2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射線のCD80発現増強とアポトーシス制御因子へのプロテオーム解析
Project/Area Number |
19591466
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石川 文雄 Toho University, 医学部, 講師 (10130345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 修一 東邦大学, 医学部, 准教授 (30120314)
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助教 (60256758)
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Keywords | 放射線 / 細胞内シグナル伝達系 / CD80抗原 / superinduction / エタノール |
Research Abstract |
放射線照射が細胞内シグナル伝達系を活性化し、アポトーシス以外にも様々な生理活性を誘導することが知られている。事実、これまでに私達は抗原提示細胞への高線量率低線量の放射線照射が、抗原情報伝達を担うcostimulatory分子(CD80)の発現を促し免疫能が増強することを報告した(Immunology96:642-648,1999)。同様に、蛋白合成阻害剤CHXやエタノール等にもCD80発現増強が認められことを発見した(第31回日本免疫学会)。しかし、これらのCD80発現増強に対するシグナル伝達系阻害剤や処理腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導に、より多くの線量を必要とする放射線適応応答能に差が認められた。そこで今回私達は、エタノール(EtOH)や蛋白合成阻害剤のsuperinductionを介するCD80発現増強と放射線抵抗性を示す放射線適応応答の成立機序を明らかにすることを目的とする。 研究初年度では、新たに発見したEtOHのsuperinduction作用を明らかにするために、シグナル伝達系に焦点を絞り分子レベルでの免疫能への作用機序を検討している。これまでに、マウスへのEtOH吸入処理が樹状細胞(DC)サブセットに影響し、IL-12産生シグナル系を特異的に阻害することを発見した。また、アポトーシスを起こし易い好中球での放射線作用を検討するためにその性状解析を行い、ホーミングやサイトカイン産生シグナルについての検討を行っている。
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