2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性消化器癌に対する重粒子線と抗血管新生療法併用治療の基礎的検討
Project/Area Number |
19591467
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
山田 滋 National Institute of Radiological Sciences, 重粒子医科学センター, 医長 (80311380)
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Keywords | 重粒子線 / 血管新生阻害 / Bevacizumab |
Research Abstract |
膵臓癌培養細胞株、MIAPaca,Bx-Pc,Panc-1、および食道癌T.Tn・TE2を1×106個/5μl,BalbCヌードマウスに下腿に移植し、腫瘍径が6-8mmに重粒子線(炭素イオン線)をLET等の線質を変えて照射し腫瘍増殖曲線を求めた。LETは14,42,77KeV/μ、照射線量は線量は5,10,15Gyを用いた。腫瘍の5倍増殖時間(治療時から体積が5倍になるまでの期間)はコントロールで20-30日であった。すべての腫瘍においてLETおよび線量が高くなるにつれて5倍増殖時間が短くなった。これらのマウスヒト食道扁平上皮癌および膵臓癌移植モデルを用いてBevacizumabと重粒子線治療の併用効果について検討した。 Bevacizumabは15mg/kgを腹腔内に重粒子線照射(5Gy)の24時間前に投与した。 Bevacizumab単独群は5倍増殖時間が30-40日間と単独でもわずかな抗腫瘍効果が認められた。一方、Bevacizumab+重粒子線併用群では5倍増殖時間が50-60日間と重粒子線単独群と比較して著しい増殖抑制を認めた。正常組織反応としては、小腸のクリプト細胞の生存率および骨髄死で検討した。Bevacizumab投与にて重粒子線の障害は増感されなかった。さらに,マウスSCCVIIおよびNR-S1(ともに扁平上皮癌)においては、局所の腫瘍を重粒子線で治療するとX線治療を施行した時に比較して肺転移が減少したが、Bevacizumab+重粒子線併用によりさらに肺転移率が低下した。VEGFは成人では癌細胞以外にはほとんど発現しないためBevacizumabは副作用が極めて少ない。Bevacizumab併用重粒子線治療は食道癌・膵臓癌の治療法として正常組織障害が少なく抗腫瘍効果の高い効果的な治療として期待された。
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Research Products
(4 results)