2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規NF-KB活性阻害剤(DHMEQ)の小腸虚血再灌流障害に対する治療効果
Project/Area Number |
19591470
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 友己 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任助教 (70374238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 博之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (70292026)
山下 健一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (00399940)
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (80256510)
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
嶋村 剛 北海道大学, 大学病院, 准教授 (00333617)
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Keywords | NF-κB / 小腸虚血再灌流障害 / サイトカイン / 肺障害 |
Research Abstract |
〔背景〕Nuclear factor-κB(NF-κB)は炎症惹起因子である敗血症、活性酸素などの刺激により腸管で活性化されることが知られており、炎症反応に関わるサイトカイン、接着因子、ケモカイン、growth factor、や炎症誘導酵素であるcyclooxygenase-2、NO合成の誘導などに関わっている。本実験では、NF-κBの核内への移行を阻害するDHMEQを用いたラット小腸虚血再灌流障害に対するNF-κB阻害作用の効果について検討した。〔方法〕体重250〜300gの雄性ラットを用いた60分の小腸虚血再灌流モデルを作成した。実験群はコントロールを無治療群とし、治療群は血流遮断1時間前と再灌流5分前にDHMEQ(10mg/kg)を腹腔内投与した。動物生存日数とレーザードプラー血流量計による小腸組織血血流量、血清TNF-αとIL-6の測定および小腸と遠隔臓器である肺障害の程度について病理組織学的に検討した。〔結果〕ラットの60分小腸虚血再灌流障害モデルにおいてDHMEQ治療群は無治療群と比較して、生存日数の有意な延長を認め、再灌流後の小腸組織血流量を良好に維持できた。また、DHMEQ治療群は炎症性サイトカインであるTNF-αとIL-6の産生を有意に抑え、病理組織学的に小腸および遠隔臓器である肺障害をも軽減できた。〔結語〕DHMEQはラットの小腸虚血再灌流障害において抑制効果を示した。以上の研究成果をH19年度の日本小腸移植研究会で発表し、英文雑誌であるJournal of Surgical Researchに投稿し受理された。
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