2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規のがん抑制遺伝子マコリンの固形癌における診断・治療への応用
Project/Area Number |
19591473
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
白鳥 享 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (80361434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝徳 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教 (70375674)
松下 一之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (90344994)
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30260251)
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Keywords | 食堂扁平上皮癌 / SEREX / makorin / 腫瘍マーカー / ユビキチン |
Research Abstract |
食道扁平上皮癌は最も予後の悪い癌の一種であり、予後の改善のためには新規の腫瘍マーカーを用いた早期診断が不可欠である。そこで食道扁平上皮癌の腫瘍マーカーをSEREX法によりスクリーニングした結果、新規SEREX抗原としてマコリン(MKRN1)を同定した。血清MKRN1抗体(s-NKRN1-Abs)の有無をウエスタン法により調べたところ、食道癌患者血清においては73例中18例(25%)で陽性であったが、健常者血清では43例すべて陰性であった。臨床病理学的諸因子との相関関係を検討した結果、s-MKRN1Absの有無は食道癌の分化度と正の相関を示したが、病期、予後その他の因子とは無関係であった。MKRN1mRNA発現レベルをRT-PCR法により調べたところ、食道癌組織において周辺の正常粘膜上皮より高かった。ras-NIH3T3細胞にMKRN1cDNAを導入して安定発現株を単離したところ、対照細胞より扁平で大きくなり、増殖が遅くなる等、正常細胞の形質を示した。MKRN1安定発現珠においては80と82kDaのユビキチン化タンパク質が増加しており、質量分析の結果、このタンパク質はL-FILIP(filamin A interacting protein 1)であると判明した。これらの結果から、MKRN1は新規の食道扁平上皮癌SEREX抗原であり、s-NKRN1-Absは特異度の高い食道扁平上皮癌の新しい腫瘍マーカーであると考えられた。また、MKRN1は高分化型の食道癌の発生にL-FILIPのユビキチン化を介して関わっていると推定された。
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Research Products
(22 results)