2007 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈粥状硬化病巣への歯周病の関与と血小板凝集の影響についての研究
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19591476
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 芳徳 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70280964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90193937)
中村 裕昭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80073021)
菅野 範英 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60332631)
地引 政利 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (50422481)
工藤 敏文 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (50431911)
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Keywords | 閉塞性動脈硬化症 / バージャー病 / 歯周病 / 血小板凝集 / 血管内皮細胞 / 老化 |
Research Abstract |
閉塞性動脈硬化症とBuerger病の発症原因に関して歯周病菌の関与が示唆されているが、発生部位や発症年齢が大きく異なる。今回の研究では両病態の相違に焦点をあてて、(1)歯周病菌による血小板凝集の機序と形態学的変化、(2)加齢による血管内皮細胞への歯周病菌侵入の変化について検討した。歯周病菌ATCC33277と多血小板血漿(PRP)を混合し血小板凝集能を測定し、電子顕微鏡にて形態学的変化を検討した。歯周病菌と全血を混合し、FACSにてCD62p陽性、fibrinogen結合陽性となった血小板を評価した。HUVECに放射線(8Gy)を照射し加齢状態とし、歯周病菌の感染率およびLCIII、細胞内転写経路をwesternblottingで評価した。 歯周病菌は、PRPとの混合により血小板凝集を惹起し、電子顕微鏡では血小板の変形とともに歯周病菌の取り込みが観察された。全血との混合では凝集反応は惹起されず、collagenやADP添加により凝集反応が認められ、歯周病菌の濃度依存性に凝集反応が増強していた。FACSによる検討では、CD62p陽性、fibrinogen結合陽性となった血小板が有意に増加していた。加齢HUVECへの感染率は有意に上昇したが、LCIIIと細胞内転写経路は抑制されていた。歯周病菌は血小板を活性化するとともに血小板に取り込まれ、生体内では血小板に取り込まれることにより血中を移動し血小板血栓を形成する可能性が示唆された。また加齢により歯周病感染が亢進し、粥腫形成に寄与している可能性が示唆された。
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