2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際膵島移植ネットワーク構築に向けた移植用ヒト膵島の長期品質管理法の確立
Project/Area Number |
19591481
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
種村 匡弘 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (30379250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 壽記 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20231152)
野村 昌哉 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30403190)
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Keywords | 膵島移植 / I型糖尿病 / オートファージ / アポトーシス / 長期保存 |
Research Abstract |
【研究目的】 移植用膵島の「長期保存・品質管理技術」の確立を目指し研究を行った。 【研究方法および研究結果】 オートファジー様細胞死が実際に分離・純化した移植用膵島に発生するかを検討した。BL6マウスを48時間飲水のみの飢餓状態におき、その飢餓マウスより膵島を分離しlysis bufferを用いて膵島由来のタンパクを抽出した。また、通常条件にて管理したマウスより膵島を分離、同様のbufferを用いて膵島由来のタンパクを抽出し、両者をSDS/PAGEにて電気泳動、PVDF membraneに転写した。この膜をオートファジーの分子マーカーであるLC3-II(LC3-phospholilated conjugate)に対するmonoclonal Abを用いてblottingを行った。結果、飢餓マウスの膵島由来タンパクにおいてLC3-IIの有意な発現増加を認め、すなわちLC3タンパクのtype Iからtype IIへのシフトが起こっていることを認め、膵島においてオートファジーがおこることを確認した。次に、このオートファジーが膵島のviabilityにどう関与しているかを解析すべく、colorimetric methyl tetrazolium salt(MTS)Cell Titer 96 Aqueous One Solution cell proliferation assayを行った。オートファジーを誘導された膵島では、MTS assayでコントロール膵島に比し約50%(49.0〜56.8%)まで吸光度が低下し、さらにオートファジー阻害剤である3-methladenine(3-MA)により膵島を処理することによりMST assay吸光度が約80%にまで回復することを認めた。 【まとめ】 膵島にオートファジーが起こることを確認でき、膵島のviabilityに負に作用することを明らかにした。さらに、オートファジー阻害剤である3-MAを膵島に投与することで、オートファジーによる膵島傷害性が回避されることを認めた。今後、膵島インスリン分泌など内分泌機能への影響を解析し、オートファジー制御が膵島保存・品質管理に有用であるかを探究する計画である。
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