2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制剤がインターフェロンの肝細胞内シグナル伝達に与える影響
Project/Area Number |
19591487
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
市川 辰樹 Nagasaki University, 医学部・歯学部付属病院, 助教 (80346949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 一彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00264218)
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Keywords | カルシニューリン阻害剤 / インターフェロン / C型肝炎 / 肝移植 / 細胞内刺激伝達 / 免疫抑制剤 / タクロリムス / サイクロスポリン |
Research Abstract |
研究の目的 (1)培養肝細胞,培養肝癌細胞上清にIFN-αを添加しその細胞内シグナル伝達に対してFK506,CyA,の影響を検討する。(2)IFNによる抗ウイルス効果の影響の検討のため培養肝細胞上清に免疫抑制剤を添加し、IFN誘導性抗ウイルス蛋白であるPKR,STAT-1などの発現を検討する。(3)in vitroのHCV増殖モデルであるHCVレプリコンの肝癌細胞株感染系を用いIFN-αの抗HCV作用に種々の免疫抑制剤が与える影響を検討する。 1年間の研究成果 (1).培養肝細胞上清にIFN-αを添加しその細胞内シグナル伝達に対してFK506,CyAが及ぼす影響を検討した結果、FK506がCyAより細胞内シグナルを抑制(STATのリン酸化)することが分かった。(2).その時の抗ウイルス蛋白PKRの発現はFK506がCyAより強く抑制した。(3)HCVレプリコンを恒常的に発現する肝細胞を用いた実験ではIFN-αの抗HCV作用にFK506はCyAより強く抑制効果を発揮した。 研究の意義 今回の検討で、IFN-αの作用にカルシニューリン阻害剤が及ぼす悪影響があることが分かった。また現在肝移植後に頻用されているFK506とCyAの間にその影響の違いがあることも分かった。IFN-αの抗HCV作用に於もレプリコンを用いた実験の結果も併せると細胞内刺激伝達系を抑制し効果に及ぼす影響があると推測される。
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