2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイリングによる閉塞性細気管支炎(慢性肺拒絶)の発生機序の解明
Project/Area Number |
19591490
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森川 雅之 Sapporo Medical University, 医学部, 研究員 (60264537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一宮 慎吾 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30305221)
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Keywords | 移植免疫 / 慢性拒絶 / 閉塞性細気管支炎 / DNAマイクロアレイ / 遺伝子発現プロファイリング |
Research Abstract |
昨年に行ったマイクロアレイのデータに基づき発現変動遺伝子を抽出し、遺伝子オントロジー解析やパスウェイ解析を行い検討した。同系移植した気管(ISO気管)、同種移植した気管(ALLO気管)、同系移植ではあるが気管支粘膜を脱落処理した後同系移植した気管(Denude-ISO気管)の3群間で差異が認められた。その中で特に変動値が明確であったものを9種類選び、8個体の気管組織よりtotal RNAを抽出して定量PCRによる再解析を行ったところ、2つの遺伝子がマイクロアレイによる変動と同じ挙動を示した。すなわちDenude-ISO気管で特異的な発現上昇を確認できた遺伝子はcoagulation factor II(thrombin)受容体であり、その発現はISO気管はもとよりALLO気管でも低い傾向を示していた。coagulation factor II受容体は7回膜貫通型のG蛋白共役型受容体に属し線維化や炎症反応に調節に深く関わっているため、Denude-ISO気管におけるその機能的意義に大変興味が持たれた。また、RAS-related C3 botulinum substrate2(RAC2)はALLO気管で発現が高かった遺伝子であり、Th2細胞に高発現するsmall GTP-binding proteinとして知られる。従って同種間の免疫細胞応答が活発に行われていたことを示しているものと考えられた。
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