2008 Fiscal Year Annual Research Report
融合細胞癌ワクチンと化学療法剤の併用療法による第I・II相臨床試験
Project/Area Number |
19591494
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
冲永 功太 Teikyo University, 医学部, 教授 (00101098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 講師 (30147102)
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Keywords | 融合細胞ワクチン / 樹状細胞 / 化学療法 / 併用療法 / プロテオーム / ヒートショックプロテイン |
Research Abstract |
本年度は、まず癌細胞と樹状細胞からなる融合細胞ワクチンと化学療法の併用療法による第I/II相臨床試験を開始した。消化器癌症例を、TS-1単独投与群と、TS-1+融合細胞ワクチン投与群の2群にわけ、TS-1は60mg/回を1日2回、2週間連続投与し、その後2週休薬した。この休薬期間中に融合細胞ワクチンを投与した。融合細胞ワクチンは、放射線照射した自己癌と患者の末梢血単球から誘導した樹状細胞をtwo-step法で作製して用いた。いずれの症例も、重篤な副作用は認められていない。現在、症例数を重ねるとともに、抗腫瘍効果および予後を経過観察している。 また、細胞融合とプロテオーム解析を用いて、癌治療の新たな標的分子を探索した。これまで融合細胞ワクチン療法で抗腫瘍効果の認められた症例の癌細胞と樹状細胞を、LS-MS/MSを用いてプロテオーム解析し、carbonic anhydrase II抗原を同定した。 さらに、癌細胞を加温処理することによって、より抗腫瘍効果の高い改良型融合細胞ワクチンを作製できることを明らかにした。その作用機序を検討したところ、heat shock proteinの発現が、抗腫瘍効果に関与していることが明らかとなった。
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