2007 Fiscal Year Annual Research Report
血液型不適合移植におけるAccommodationの機序の解明
Project/Area Number |
19591496
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石田 英樹 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 講師 (60246543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 一成 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80188359)
白川 浩希 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (60263539)
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Keywords | 血液型不適合腎臓移植 / Accommodation / 抗血液型抗体 |
Research Abstract |
抗体関連型の移植をのりこえるには様々な工夫がなされてきた。抗体を除去するための血漿交換やBリンパ球系をターゲットにした免疫抑制剤が開発されたおかげで、抗体除去を移植前に施行することによって安全にかつ有効な抗体陽性例に対する腎臓移植が可能になってきたといえる。 われわれは年間100例近くの腎臓移植を施行している中で約20%に血液型不適合移植あるいはHLA抗体を陽性に検出する抗HLA抗体陽性例の腎臓移植を1年のうちに経験する。その中で抗体が陽性のまま経緯し、術後も移植腎機能が良好に保持されているにもかかわらず、病理的には立派な抗体陽性型の拒絶反応を呈しまた患者循環血漿中にも非常に高い抗体値を示す例がある。 このように存在が確認されるにもかかわらず実際に細胞障害には至らしめない抗体のことをAccommodated抗体とよんでいる。 今までもわれわれはこのような抗体の種類についての同定を推し推めてきた。抗体がドナー抗原に向いているにもかかわらず、どのような移植後の構造的な変化を経て組織障害性の全くない抗体に変貌していくのかを、化学的あるいは、病理的な手法をへて解析してきた。移植患者体内で産生されるAccommodated抗体について平成19年度20年度を通じて解析している。平成20年は特にこの抗体のもう特性について解析する。パパイン分解によって生じた抗体の可変部位についてさまざまな抗原と反応させることによって抗体が産生された後に獲得する抗原に対する免疫学的な寛容性について研究する。また糖鎖である血液型抗原が抗原提示細胞によって直接T細胞に認識されるT-B細胞の相互作用についてCD40-40Lの認識機構を含めて解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)