2007 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍免疫誘導におけるリンパ系樹状細胞活性化の意義に関する研究
Project/Area Number |
19591508
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
有廣 光司 Hiroshima University, 病院, 准教授 (70232064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 茂 広島大学, 病院, 講師 (00403527)
田邊 和照 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (40379847)
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Keywords | Breast cancer / Autophagy / Dendritic cell |
Research Abstract |
術前化学療法によるヒト乳癌の腫瘍縮小効果における腫瘍免疫の誘導を検討するため、autophagyに着目して腫瘍細胞の質的変化を客観的に評価する系の確立を試みた。autophagyは細胞の飢餓状態において、細胞内恒常性の破綻のため蓄積する不要なタンパク質の分解反応として注目されてきたが、細胞死や癌化との関連も指摘される過程であり、化学療法後のがん細胞ではautophagyによる延命効果が想定される。そこで術前化学療法後切除されたヒト乳癌組織あるいはヒト胃癌組織を用いて、蛋白分解に先立つautophagosomeの形成に必須なLC3,GABARAP(GABA受容体関連蛋白質),GATE-16(Golgi-associated ATPase enhancer)などの因子の発現を検討した。その結果、胞体内に空胞変性を伴い核の膨化を示す種々の程度の変性像を示す乳癌細胞にLC3、GABARAP、GATE-16の発現を認め、高度の変性像と判定した乳癌細胞でもautophagyにより生存の可能性が残ることが示された。 このような結果を踏まえ来年度は免疫組織化学的にautophagyに関連するその他の因子としてAtg3、Atg4B、Atg3、Atg7、Atg16Lなどの蛋白を網羅的に検索し、その生物学的意義を検証する。また未成熟・成熟樹状細胞(pDC、mDC)の発現をCD1a、CD11c、CD123、CD80、CD83、CD86を指標として解析し腫瘍免疫誘導との関連を検討する。更に変性した乳癌細胞の生存可能性を予測することで客観的な評価の可能性を探索し、多数症例でその有用性を検討したい。
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Research Products
(7 results)