2008 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌シグナル系と形態形成シグナル系のクロストークを応用した乳癌治療法開発
Project/Area Number |
19591511
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小島 雅之 Kyushu University, 大学病院, 助教 (90380394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 真 九州大学, 大学病院, 助教 (60403961)
佐藤 典宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20423527)
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Keywords | 乳癌 / Hedgehog(Hh)シグナル / ER経路 / Sonic Hh(Shh) / シグナルクロストーク / 増殖抑制 / 治療 |
Research Abstract |
我々は、乳癌において高率にHedgehog(Hh)シグナル系が活性化し、治療標的となりうる可能性を報告した(Kubo et al. Cancer Res,2004)。本研究においては、乳癌におけるHhシグナル系活性化の機序としてのEstrogen receptor(ER)の関与を明らかにし、新たな治療法開発に応用することを目的とした。 本年度の研究計画に沿って成果を記載する。 1)ERシグナルとHhシグナルのcross talkを利用した治療法の検証(19年度の継続)。 低重力培養装置を応用し手術時摘出乳癌組織を3日間培養する系において、ERシグナル阻害剤やRhシグナル阻害剤による細胞増殖抑制をKi-67染色の系により確認した。 2)非浸潤性乳管癌(DCIS)または浸潤性乳管癌の乳管内進展部(Intraductal component【IDC])におけるERシグナルおよびHhシグナルの活性化の検証。 手術摘出乳腺組織(浸潤癌56例、DCIS50例、良性病変34例、計140症例)を用いて、Hh関連分子(Shh,Ptchl,Glil)及びER関連分子(ERa,pS2)発現を免疫組織染色法により解析した。その結果、予想通り、Hhシグナル系活性化と癌化特に浸潤能獲得との関連結果を得た。現在、micro-dissection法より微小浸潤性乳癌における浸潤部と非浸潤部の解析へと進展した(日本外科学会総会などで一部発表)。 3)その他の重要な成果。 Hh活性化が増殖促進のみではなく浸潤に関与していること(Anticancer Res, in press、Cancer Sci,99:1377,2008)、さらには同様のシグナル系の連関がERa陽性胃癌においても存在することが細胞株および胃癌組織レベルで明らかにされつつあり、本研究の成果が内分泌経路と形体形成シグナル系の連関に焦点を当てた新たな治療法開発の可能性へと進展した(日本外科学会総会などで一部発表)。
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Research Products
(5 results)