2008 Fiscal Year Annual Research Report
結腸内カプサイシン投与の結腸運動亢進・排便誘発効果とその作用機序
Project/Area Number |
19591528
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 近 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30270804)
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Keywords | Capsaicin / Defecation / Extrinsic denervation / Giant migrating contractions / lleocolonic loop |
Research Abstract |
「背景」排便時、大腸には波高が高く伝播速度の速い巨大伝播波収縮(giant migrating contractions, GMCs)が出現し、下痢時にはこのGMCsが頻発することが報告されている。GMCsを制御することは下剤や排便誘発剤の開発へとつながる可能性がある。「目的」capsaicin結腸内投与の回・結腸運動、排便に及ぼす効果とそのメカニズムを検討する事。「方法」ビーグル犬を用いstrain gauge force transducerを回腸末端、結腸に縫着・固定し、消化管の輪状筋収縮を測定した。生理食塩水、Capsaicin 1, 2, 5, 10mg結腸投与における、また拮抗薬存在下での消化管運動と排便に対する効果を検討した。さらに結腸への外来性神経切離モデルも作製し、除神経下におけるカプサイシン結腸内投与の効果も検討した。外来性神経、壁在神経叢の関与を検討するために結腸ループモデルも作成し検討した。「結果」capsaicin 5mg、10mgの投与直後から結腸にGMCsを高頻度に誘発し、排便を誘発した。Atropineとhexamethonium存在下ではcapsaicin結腸内投与のGMCs・排便誘発効果は抑制されたが、その他の拮抗薬はこの排便誘発効果を抑制しなかった。また、外来性神経切離モデルでは、カプサイシン結腸内投与による結腸運動亢進・排便誘発効果の減弱が見られた。結腸ループモデルではカプサイシン結腸内投与による結腸運動亢進・排便誘発効果は消失した。「結語」capsaicin結腸内投与は、アセチルコリンの放出をコントロールしてGMCsと排便を制御していることが示され、GMCsと排便の制御には結腸へ分布する外来性神経及び壁在神経系が関与していると考えられた
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Research Products
(6 results)