2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスによる大腸癌に対する分子標的治療のテーラーメイド化
Project/Area Number |
19591535
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大村 健二 Kanazawa University, 医学部附属病院, 講師 (30194301)
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Keywords | 癌 / 蛋白質 / プロテオーム / トランスレーショナルリサーチ / シグナル伝達 / 細胞、組織 |
Research Abstract |
実験1;大腸癌に対する分子標的治療効果を判定,モニターするためのサロゲートマーカーを見出すために 実績:ヒト大腸癌細胞株各種(HT29,SW620)をマウス皮下に移植して大腸癌モデルを作成した。このマウスをセリン,スレオニンキナーゼ阻害剤による分子標的治療群と溶媒のみを投与するコントロール治療群にわけてそれぞれ治療をおこなった。治療開始後24時間後および5週間にわたる治療後にそれぞれ分子標的治療群,コントロール治療群のマウスから採血し,ヘパリン,脱リン酸化阻害剤および蛋白分解酵素阻害剤を加えた。その後,遠心して血漿成分を精製し,特異的カラムを用いてアルブミン,IgG除去分画を精製した。サンプルの蛋白質はまず2次元電気泳動にて展開され蛋白発現を確認した。別に,同サンプルはSELDI-TOF-MSにてMass spectrumが得られた。 現在,同時点の治療群間および,同治療群での経時的な蛋白質,リン酸化蛋白質発現の変化につき2次元電気泳動パターンおよびMass Spectrumを用いて解析中である。 実験3:長期間治療を継続することにより生じてくる治療耐性のメカニズムを見出すために 実績:ヒト大腸癌細胞株各種(HT29,SW620)から,EGFRに対する抗体であるCetuximabあるいはVEGFに対する抗体であるBevacizumabに対して耐性を有する株を樹立するために同細胞株培地に低濃度の同薬剤を添付して培養を開始した。数ヶ月をかけて徐々に薬剤濃度を上げていき,やがて高濃度でも生存可能な細胞株を樹立すべく,現在も培養中である。
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