2008 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞による自己癌標的免疫療法を増強させる、各種抗癌剤の適量に関する検討
Project/Area Number |
19591536
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 豊 Chiba University, 大学院・医学研究院, 客員教授 (10179541)
|
Keywords | 樹状細胞療法 / 化学療法 / 白血球減少 / MTD |
Research Abstract |
平成19年度の研究で、樹状細胞(dendritie cell:DC)と抗癌剤(CPT-11,Docetaxel)との併用においては、MTD投与量では認められない相乗効果が、1/2MTD量と1/4MTD量との併用で認められたことを報告した。今年度は、その1/2MTD量と1/4MTD量における、マウスの毒性について検討するとともに、マウスの免疫学的検索を行った。 マウスの白血球を検討したところ、無治療時6000-7000/μlであったが、MTD量では1000-2000//μlまで下降したのに対し、1/2MTD量と1/4MTD量では3000-4000/μl程度であった。また、1/2MTD量と1/4MTD量では体重減少など、他の全身的問題点も指摘されなかった。さらに、血清中のTh1/Th2サイトカイン比は、MTD量では無治療時よりも下がっていたのに対し、1/2MTD量と1/4MTD量では、逆に上昇が認められた。これらの結果は、今回加えたCDDPにおいても同様な結果が得られ、多くの抗癌剤で適応があると考えられた。 以上より、1/2MTD量と1/4MTD量におけるマウスでの白血球減少は、ヒトの毒性評価で見るとグレード1程度であることから、白血球減少を指標として、ヒトでの樹状細胞療法の併用に適した抗癌剤治療を予測することが可能であると考えられた。標準療法から離脱した患者の治療としては、毒性も少ないことから意義のある治療になりうるものと考えられる。
|