2007 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌化学療法における抗癌剤の毒性と患者の遺伝子多型に関する研究
Project/Area Number |
19591545
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
硲 彰一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50253159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 直子 山口大学, 医学部附属病院, 副臨床検査技師長 (40420541)
坂本 和彦 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50420526)
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Keywords | 大腸癌 / 化学療法 / 毒性 / 遺伝子多型 / イリノテカン / UGT1A1 / ^*28 / ^*6 |
Research Abstract |
イリノテカンの代謝経路はよく解明されており、生体内で活性型のSN-38に変換され、主に肝臓の代謝酵素であるUGT1A1により不活性型のSN-38Gとなり、胆汁から腸管内へと排泄される。そのため、解毒代謝酵素UGT1As familyの遺伝子多型により毒性を予測できる可能性が示唆されているが、いまだ不確定な要素も多い。本研究の目的、ならびに研究実施計画に基づき、UGT1A1遺伝子多型(^*28)の有無により患者を、正常型(CPT-11 150mg/m^2)および変異型(^*28)ヘテロ(CPT-11 70mg/m^2)の2群に分類し、CPT-11隔週投与ならびに5'-DFUR(5投2休/週)を用いた第II相試験を転移性大腸癌患者を対象に進めている。その結果、いずれの遺伝子型・投与量においてもGrade3以上の毒性を認める症例が2-3割存在した。すなわち、^*28以外にも毒性感受性因子が存在することがわかった。そこで、UGT1A1^*28以外の遺伝子多型について検討した。その結果、UGT1A1^*6を持った症例では重篤な好中球減少症(grade3-4)が出現する確率が6/11であり、*6を持たない症例(2/20)に比較して、有意(p=0.007)に高いことがわかった。さらに、UGT1A以外の遺伝子多型についても検討した結果、UGT1A7^3(7/14 VS 1/17;p=0.005)ならびにUGT1A9^22(7/16 VS 1/15;p=0.018)が好中球減少症に関連している可能性が示唆された。現在、症例を積み重ねつつ、最も効率よく毒性を予測する遺伝子多型の組み合わせを検討している。
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Research Products
(3 results)