2008 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌化学療法における抗癌剤の毒性と患者の遺伝子多型に関する研究
Project/Area Number |
19591545
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
硲 彰一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50253159)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 直子 山口大学, 医学部附属病院, 副臨床検査技師長 (40420541)
坂本 和彦 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50420526)
|
Keywords | 大腸癌 / 化学療法 / 毒性 / 遺伝子多型 / イリノテカン / UGT1A1 / *28 / *6 |
Research Abstract |
【はじめに】CPT-11はUGTIA1遺伝子型で毒性に個人差が生じる。われわれは切除不能大腸癌に対するFOLFIRI療法を、遺伝子多型に基づく前向き多施設共同第II相試験の結果を解析し、治療効果と毒性を遺伝子多型から予測するシステムを構築した。【方法】倫理委員会承認のICが得られ、多型解析を行った切除不能大腸癌71例を対象とした。遺伝子多型はUGT1A1*28, UGT1A1*6, UGT1A1*60, UGT1A7(N129K;T>G), UGTIA7(-57T>G), UGT1A9*22を解析し、臨床効果と毒性との関連を検討した。【結果】71例中Grade(G)3/4の血球減少を34例に認め、23例で腫瘍縮小(CR+PR)を得た。それぞれの多型単独では坑腫瘍効果を予測できず、毒性ではUGT1A1*6, UGT1A7 N129K(G), UGT1A7-57(G), UGTIA9*22アレルを持つ症例では有意(P<0.05)にG3/4の毒性を多く認めたが、予測的中率は最高63%であった。次に、われわれが新しく開発したGenotype subset selection(遺伝子型選択)法を用いた。毒性予測では、UGT1A1*28(TA6/6) & UGT1A9*22(T9/9)またはUGT1A1*28(TA6/7) & UGT1A7(-57;T/G)を持つ16例のうち12例(75%)にG3/4の毒性を認め、一方、UGT1A1*28(TA6/6) & UGT1A9*22(T10/10)、UGT1A1*28(TA6/7) & UGT1A7(-57;T/T)またはUGT1A1*6(G/G) & UGT1A1*60(T/T)を持つ29例のうち22例(76%)はGO-2と毒性は軽微であった。坑腫瘍効果予測では、UGT1A1*6(G/A) & UGT1A9*22(T9/9)、UGT1A9*22(T10/10) & UGT1A1*60(T/G)、UGT1A1*28(TA6/6) & UGT1A1*60(T/G) & UGT1A7(-57;T/G)またはUGT1A1*28(TA6/6) & UGT1A7(-57;G/G)を持つ12例のうち8例(67%)が奏功し、一方、UGT1A1*60(G/G)、UGT1A1*6(G/G) & UGT1A7(-57;T/G)、UGT1A1*28(TA6/7) & UGT1A1*6(G/G)またはUGT1A1*28(TA6/7) & UGT1A9*22(T9/10)を持つ15例のうち13例(87%)で効果がなかった。【結語】新たに開発した遺伝子型選択のアルゴリズムで、より精緻な毒性と効果予測が可能となった。
|
Research Products
(5 results)