2008 Fiscal Year Annual Research Report
EGFRリガンド阻害剤による低分化型胃癌に対する新しい癌治療法の開発
Project/Area Number |
19591547
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization National Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
沖 英次 Department of Clinical Research, National Hospital Organization National Kyushu Cancer Center, 統括診療部, 医師 (70380392)
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Keywords | 胃十二指腸外科学 / EGFR / AKT / PTEN / 化学療法 |
Research Abstract |
1、胃癌におけるPTENの異常 胃癌104例中20例(19.2%)でPTENにLOHが認められた。このPTENのLOHは臨床病理学的因子と関係を認めなかったが、PTENがLOHである症例では予後がきわめて不良であった。 2、胃癌におけるAKTの異常 pAKT(リン酸化AKT)は、28.9%で陽性であった。PTENにLOHを認めない症例では20.5%のみにpAKTが観察されたのに対し、PTENがLOHの症例では、77.8%がpAKT陽性であり、PTENのLOHとAKTのリン酸化の間に有意な関係を認めた。抗癌剤感受性をMTT assayで評価すると、pAKT陽性の癌では抗癌剤に耐性である傾向を認めた。 3、AKT/PI3K下流シグナルの検討 我々はPTENの遺伝子の働きを破壊したPTEN-DNを導入することにより、AKTを持続的に活性化させた細胞を作製した。この細胞は親株に比べてAKTが持続的に活性化されていること、また増殖能が高いことが確認された。この細胞と親株のRNAの発現状態をAffimetrix社のRNA EXPRESSIONマイクロアレイを用いて胃癌の悪性化に関わる因子を探索したところ。既知の遺伝子では低分化胃癌の進展に関わるMMP-9などの発現が変化していることが確認された)。すなわち我々はEGFR阻害剤をはじめとする低分化胃癌の新しい分子標的の候補を同定した。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Chemosensitivity and survival in gastric cancer patients with microsatellite instability2008
Author(s)
Eiji Oki, Yoshihiro Kakeji, Kippei Ohgaki, Kotaro Shibahara, Imamura Ichiro Satoko Shiotani, Noriaki Sadanaga, Masaru Morita, Yoshihiko Maehara
Organizer
American Society of Clinical Oncolgy (ASCO)
Place of Presentation
McCormick Place, Chicago, IL, USA
Year and Date
2008-06-02
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[Presentation] スキルス胃癌発生の分子背景と新しい治療戦略に関する基礎的検討2008
Author(s)
沖英次, 吉田倫太郎, 掛地吉弘, 安藤幸滋, 杉山雅彦, 岡田敏子, 増田隆伸, 大垣吉平, 今村一郎, 塩谷聡子, 芝原幸太郎, 定永倫明, 森田勝, 前原喜彦
Organizer
日本外科学会総会
Place of Presentation
長崎ブリックホール
Year and Date
2008-05-15