2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌リンパ節転移におけるリンパ管新生因子の機能解析と役割に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19591549
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松本 正隆 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40398293)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70237577)
石神 純也 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90325803)
愛甲 孝 鹿児島大学, 理事 (60117471)
高尾 尊身 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (80171411)
|
Keywords | リンパ管新生 / 血管新生 |
Research Abstract |
Vascular endothelial growth factor (VEGF)-DおよびそのレセプターであるVEGFR-2,VEGFR-3に対する中和抗体を用いたマウス実験を行い,in vivoにおける血管新生,リンパ管新生について検討を行った.まずVEGF-D導入ヒト腫瘍細胞をマウスに接種したリンパ節転移モデルを作製し,抗VEGFR-2,抗VEGFR-3,抗VEGF-D抗体による治療効果を比較した.また腫瘍組織のPECAM-1,LYVE-1による免疫組織染色を行うことで腫瘍血管新生,リンパ管新生を評価した.その結果,以下の知見が得られた.1)VEGF-D導入により腫瘍組織の血管新生,リンパ管新生を誘導,リンパ節転移が促進された.2)抗VEGFR-3あるいは抗VEGF-D抗体による治療では腫瘍の縮小効果は不十分であったが,リンパ管新生,リンパ節転移は抑制された.3)抗VEGFR-2抗体による治療では腫瘍増大を抑制できたが,リンパ節転移に対する効果は乏しかった.4)抗VEGFR-3抗体と抗VEGFR-2抗体の併用により腫瘍増大およびリンパ節転移の両方が十分に抑制された.5)抗VEGFR-2抗体のみの治療では腫瘍に対する縮小効果は認めたものの腫瘍中のLYVE-1発現密度はむしろ上昇した.以上のことから悪性腫瘍の治療では腫瘍増大を抑えると同時に転移抑制を考慮した治療,つまり血管新生とリンパ管新生の両者を標的とした治療が必要であることがわかった.
|
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 食道癌の微小転移診断と臨床応用2007
Author(s)
夏越祥次, 松本正隆, 瀬戸山徹郎, 内門泰斗, 上之園芳一, 佐々木健, 櫻井俊秀, 奥村浩, 石神純也, 大脇哲洋, 愛甲孝
Organizer
第59回日本気管食道科学会総会ならびに学術集会
Place of Presentation
前橋市
Year and Date
2007-11-02
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 食道癌の再発に対する外科治療の役割2007
Author(s)
夏越祥次, 松本正隆, 奥村浩, 瀬戸山徹郎, 花園幸一, 内門泰斗, 保清和, 佐々木健, 上之園芳一, 石神純也, 大脇哲洋, 愛甲孝
Organizer
第61回日本食道学会学術集会
Place of Presentation
横浜市
Year and Date
2007-06-22
-
-
-
[Presentation] 分子生物学的評価による術後再発リスク症例の予測とグリベックの使用2007
Author(s)
石神純也, 柳田茂寛, 上之園芳一, 中条哲浩, 宮薗太志, 有留邦明, 帆北修一, 奥村浩, 松本正隆, 上木原貴仁, 小園勉, 夏越祥次, 愛甲孝
Organizer
第107回日本外科学会定期学術集会
Place of Presentation
大阪市
Year and Date
2007-04-12