2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591554
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
萩原 明郎 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 准教授 (90198648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪倉 長平 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (10285257)
中村 達雄 京都大学, 再生医療研究所, 准教授 (70227908)
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Keywords | 再生医学 / 消化管再生 / 羊膜 |
Research Abstract |
羊膜の瘢痕を形成しないという特質を利用し、羊膜を再生の足場の主材料とし、材料強度保持の観点から吸収性合成繊維メッシュと複合させてチューブ状の腸管再生の足場を作成した。一方自己口腔粘膜層を採取し、これから粘膜上皮と粘膜内Myofibroblastを分離し、自己血添加培養液を用いて培養した。 チューブ状腸管再生の足場の羊膜層の上にこの粘膜上皮細胞とMyofibroblastを播種して、原型腸管とした。一回目の手術でこの原型腸管を腹腔内に数週間置いて壁組織の成熟と血管化(大網を利用)をなさしめた。こうして原型腸管を成熟させ腸管を再生させた後、第2回目の手術で再生腸管を自己の腸管と吻合して、実験モデルとした。 術後10〜14月に10匹の犬を経時的にレントゲン消化管造影透視を行い、再生消化管の蠕動運動状態を観察し、同時に犬を犠牲死せしめ、再生消化管を摘出して、瘢痕形成や狭窄の有無と腸管壁の再生状態を病理組織学的に検討した。 (C)その結果、10匹中8匹は、瘢痕狭窄を形成せず、十分な食事摂取が可能な食道が再生された。 (D)成果の意義 上記のような機能を持った消化管の再生は、炎症性腸疾患や腸間膜血管疾患の根本的な治療法の実現、下部直腸癌の根治手術における人工肛門の根本的解決、食道癌における根治術後の胃管再建臓器に原因する問題点や、放射線化学療法後の食道狭窄・嚥下困難の根本的解決など、この研究成果による臨床医学的意義と、社会的な貢献は大であると考えられる。
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Research Products
(4 results)