2009 Fiscal Year Annual Research Report
先天性胆道拡張症の胆管組織における神経構造ならびに神経伝達物質の研究
Project/Area Number |
19591584
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 久實 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60184321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 靖之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378193)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30378195)
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Keywords | 先天性胆道拡張症 / 胆管拡張機序 / 胆嚢壁神経叢 / Whole-mount標本 / 血管周囲神経叢 |
Research Abstract |
先天性胆道拡張症(以下CBD)における胆管拡張の原因を検索する事を目的に、CBDの胆嚢における神経組織の形態を検索した。 CBD群8例、胆嚢に異常のみられない7例を対照群とした15例(男:女3:12、平均年齢8.0歳)から摘出した胆嚢を、ただちにザンボニ駅で保存した後、whole-mount標本を作製し、胆嚢壁内神経組織を、抗protein gene product 9.5抗体、、抗neurofilament抗体を用いた免疫染色により検討を行った。 両群において神経繊維の方向には規則性は認められず、分枝した神経が他の神経線維と交差していた。胆嚢壁の血管網はCBD群5.5±1.9/cm^2、対照群27.6±14.4/cm^2で、CBD群において有意に減少していた。胆嚢壁内の血管表面に神経叢が描出された割合は、CBD群37.7±18.1%、対照群80.2±17.4%で、CBD群において有為な低下が認められた。胆嚢の頸部、体部、底部の各部位における神経節細胞の数は、各部位間で有意差は無かった。神経節細胞数は、CBD群、対照群は各々38.5±24.0, 42.3±20.6であり有意差は認められなかった。 CBDにおいては、総胆管下部の狭小部から胆汁を圧出するために、胆嚢、胆管が収縮亢進状態にあり、胆道内圧が上昇するために胆管が拡張するものと推察され、更に胆壁の血流減少を代償するために血管周囲神経叢が減少していると考えられた。
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