2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波熱凝固による癌局所療法からin vivo樹状細胞ワクチン療法への展開
Project/Area Number |
19591585
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
川口 晃 Shiga University of Medical Science, 医学部, 非常勤講師 (10303778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90239525)
清水 智治 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402708)
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (70205219)
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Keywords | 癌 / 外科 / 免疫学 / 低侵襲治療 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
本研究では、固形腫瘍をマイクロウェーブでアブレーションした後の腫瘍凝固治療局所に、未熟樹状細胞を移入し抗原提示細胞として成熟化させ、所属リンパ組織で腫瘍抗原特異的なCTLを誘導させるin vivo樹状細胞ワクチン療法による抗腫瘍免疫効果を検討する。すなわち、2種類の治療法を組み合わせ、アブレーションによる局所療法を癌免疫治療による全身療法へと展開していくことを研究の目的とした。 FVB/Nマウス(非免疫寛容)に接種し生着した腫瘍にマイクロ波熱凝固を施行したあと、未成熟樹状細胞を細胞移入すると、腫瘍抗原特異的免疫反応の誘導が増強され、アブレーション施行腫瘍への抗腫瘍効果は増強され、無治療の対側接種腫瘍への抗腫瘍効果も認められた。HER2/neu transgenicマウス(免疫寛容マウス)の自発乳癌に対してマイクロ波凝固をしたあと未成熟樹状細胞を注入すると、局所治療した腫瘍は退縮するが、無治療の対側腫瘍への抗腫瘍効果は乏しく、腫瘍特異的免疫反応の誘導は、FVB/Nマウスで見られたほど強くなかった。 以上より、腫瘍凝固治療した局所に、未熟樹状細胞を移入するとin vivo樹状細胞ワクチンとして作用し腫瘍抗原特異的なCTLを誘導させることができる事がわかった。しかし、ヒト癌患者に近いpre-clinical modelである免疫寛容マウスモデルでは腫瘍抗原特異的CTL誘導は弱かった。したがって、in vivo樹状細胞ワクチン治療に加え、制御性T細胞を制御するなどの免疫寛容を打ち破るための追加処置が必要であることがわかった。
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