2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591592
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高畑 俊一 Kyushu University, 大学病院, 助教 (50437779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 英司 九州大学, 大学病院, 講師 (30264021)
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
大内田 研宙 九州大学, 大学院・医学研究院, 特任助教 (20452708)
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Keywords | microRNA / マイクロダイセクション / 膵癌 |
Research Abstract |
膵癌は、現在国内で癌死の第5位を占めるほどの主要な癌でありながら、最近30年間でほとんど予後改善(5年生存率がわずか3%のまま)が認められない。本研究では、マイクロアレイによる網羅的な解析と、定量摘リアルタイムPCR法により、多数のかつ微量な臨床サンプルであるホルマリン包埋組織並びに膵液のmicroRNA発現解析を実施し、膵癌の浸潤・転移能、膵癌患者の予後を左右する膵癌microRNAを同定する。また膵癌凍結切片からはマイクロダイセクションによって膵発癌過程にある細胞群を選択的に抽出し、発癌のどの段階においてmicroRNAの機能が関与しているかを明らかにする。 平成19年度は、膵癌細胞のマイクロアレイによるmiRNAの網羅的な解析を行い、膵癌特異的なmiRNAを複数同定し、定量的real-time RT-PCRによりその結果を確認した。さらに特定のmicroRNAを選択し、その発現レベルに応じて膵癌細胞のphenotypeが変化するという所見が得られた。現在、そのmiRNAのターゲットとなる遺伝子群を選択し、その中からさらにそのphenotypeの変化に関連する分子を同定する作業を進めている。 今後は、さらに、マイクロアレイの結果から膵癌診断に有望なものを選択し、膵液を用いた膵癌診断への臨床応用を検討する。また、上記の以外の本解析により同定されるmicroRNAにおいても、そのターゲットとなる分子が数多くあると予想され、その中から新規の膵癌に特異的に関与する分子の同定をすすめ、microRNAだけでなくその下流に位置する分子群が膵癌の診断、治療のまったく新しい標的分子となりうるか検討を加えていく。
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